ワイコフは、本書を書いた(しかも匿名で)目的について改めて説明してくれています。
この目的を忘れずに、本書を読み進めると理解が深まるでしょう。
今回は本書の目的を中心に、ニュースの影響についても学んでいきましょう。
気力と忍耐
- 続けて損しても、それに耐える気力をもたなければならない。
- ブローカーの店先にあふれる特別情報やゴシップなどの影響を避けて、完璧な集中力を保つには、できるだけ引きこもることが望ましい。
- 「そちらのほうが正しいかもしれない」と思っただけで、ためらいが出て、動きが鈍り、機会を逃してしまう。
裏打ちされた厳格なルールに従うことができれば、平均的利益を上げることは可能です。
ただし、この”従う”ことがとても難しいのです。
特に続けて損したときは、自分のルールに疑いを持ち、トレードをし過ぎたり、もしくは悲惨な現状から目を逸らしてしまう恐れが大いにあります。
たとえ損をしなくても、ほかの人の意見に影響され、トレードが左右されてしまうこともあるかもしれません。
もし他人に流されやすいのならば、引きこもったほうがマシだと筆者は指摘しています。
このように取引テクニックだけではなく、トレーダーとしての精神的素質を身につけることはとても重要になってきます。
引きこもり
- ニュースティッカーは起きたことを記録するものである。
- すでに多少とも相場に織り込まれた効果の原因を示すに過ぎない。
- 事が生じるまで待って、みんなと一緒に動いたのでは遅すぎる
さて(精神的に)引きこもったときに、ニュースティッカーを見るべきかどうかさえメンタルに影響を与えます。
気配値や歩み値(テープ)は相場の現在と将来を教えてくれますが、ニュースティッカーは過去に起きたことを記録して教えてくれるだけです。
テープ解読者がやるべきことは、来るべきことを先読みすることです。
事が生じるまで待って、みんなと一緒に動いたのでは遅すぎます。
ニュースティッカーに現れた時には、相場にはある程度織り込まれています。
ニュース
- ニュースが引き起こす結果ということになると、話は全然別である。
- 重大ニュースに対する相場や特定銘柄の反応を見ると、テクニカルな強さや弱さの度合いがかなり分かるのだ。
- ニュースティッカーを仕事部屋に持ち込んでもかまわないと思われる。
ニュースは気にするなとは言えど、ニュースが引き起こす結果ということになると、話は全く変わります。
重大なニュースは間違いなく相場全体や特定銘柄に影響を与えます。
そのため、あらかじめニュースに対してどう反応するのか想定しておくことが大事です。
gyatuby.hatenablog.com
本書の目的
- 本書の目的は実際に役立つ手法―すべてのトレーダーが日々の取引で用い、さまざまなレベルのテープ解読の技術をもつ人々にとって有益で助けになると思われる手法―を順次説明することにある。
- 相場の要因をすべて取り上げ、プロが使っている手法についても説明を行う。
本書を読むことで、相場はどのような影響を受けるか、テープ解読に役立つ手法を学ぶことができるでしょう。
その際に、本書ではテープの実例を取り上げています。
ぜひ本書から、何か学びやテクニックなどを盗んでもらえればと思います。
もちろん当ブログでもわかりやすいように解説するつもりです。
まとめ
- 続けて損しても、それに耐える気力をもたなければならない
- 完璧な集中力を保つには、できるだけ引きこもることが望ましい
- ニュースティッカーに現れた時には、相場にはある程度織り込まれている
- 重大ニュースに対する相場や特定銘柄の反応を見ると、テクニカルな強さや弱さの度合いがかなり分かる
- 本書を読むことで、相場はどのような影響を受けるか、テープ解読に役立つ手法を学ぶことができるでしょう
おわりに
テープ解読のテクニックは、もちろんチャート解読にも役立ちます。
むしろ一流のトレーダーは、板情報もしっかり監視しているイメージがあります。
もとは同じ情報ですから当然と言えますね。
次回から本格的に学んでいきます。お楽しみに。
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