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オニールの成長株発掘法第3章①~C:当期四半期のEPSと売り上げ

大化け銘柄の買う条件である”CAN-SLIM”は、7文字のアルファベットで表したものです。

今回は、最初のアルファベット「C:当期四半期のEPSと売り上げ」です。

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当期のEPS増加が大きい銘柄を探す

  • 1952年~2001年の間に最も成長した600銘柄を分析すると、4銘柄中3銘柄が目覚ましい株価上昇を始める直前の当期四半期決算発表で平均70%以上のEPS増加を見せている。
  • 大化け銘柄が値を上げる前にこれほどはっきりとEPS増加を見せているのだから、EPSの低い銘柄をわざわざ買うことはないのだ。
  • EPSは、当期純利益を発行済み普通株式数で割ることで計算できる。
  • 銘柄選択において、このEPSの伸び率の変化こそが、現代においては最も重要な要素なのである。
  • EPSも伸ばせないような何の根拠もない銘柄に投資して苦労して稼いだお金をリスクにさらす必要などまったくなかったのだ。
  • 当期のEPSが悪いのに株価が大きく上昇し続ける理由など、どこを探しても絶対にないからだ。
  • 事実、8%~10%といった小幅伸び率を示している企業は、次の四半期で突如としてEPSを下げる可能性が大きいのだ。
  • 個人投資家には強気サイクルで最も成長しそうな銘柄にだけ投資してもよいという特権が与えられている。
  • EPSが何はさておき最も重要である、ということなのだ。

最初から重要なことがたくさん書かれているので、長いですけど許してください。

EPS(1株当たり純利益)は、ざっくり言うと当期純利益を発行済み株式数で割ると計算できます。
これは実際に計算しなくても、決算資料のサマリーで簡単に確認することができますので安心してください。

有力なインターネット企業などで大化けする銘柄は、創業当時に赤字が多いものの、次第にEPSを伸ばして黒字化します。

そのため、EPSも伸ばせないような何の根拠もない銘柄に投資して、ギャンブルをする必要はありません。
わたしたちにはその権利があり、ノーポジションも許されるのです。

したがって来るべきチャンスに備えるために、余裕を持ってEPSの伸びが大きい銘柄をじっくり探すと良いでしょう。



紛らわしい決算発表に注意

kessan
出所:じぶん銀行
  • ほとんどの投資家は自分が読んだ内容に好感をもつもので、企業側もプレスリリースやテレビによる売り込みの努力を惜しまない。

プレスリリースは、自分のことなので当然いいことばかり書く傾向にあります。

会計数値においても、IFRS国際会計基準)の場合は、営業利益や税前利益の定義が会社によって異なることがあるため、比較するのが少し面倒になります。

そのため、やはりEPSが簡単で比較しやすいです。


一度きりの特別利益は無視する


文字通り、臨時の収益(特別利益)に惑わされてはいけません。

たとえば不動産の売却収入があった場合、EPSは会社の実力以上に過大評価され、一見すると本業が好調に見えてしまいます。

そのような利益があるときは、日本基準であれば経常利益に注目しましょう。
それ以外の会計基準は収益項目を見て自分で純利益を調整しましょう。

ただあくまで異常な特別利益があった場合に気にすれば大丈夫です
いちいち気にしていたら面倒さが増してしまいます。

当期EPSの増加率に最低目標を設定する

当期EPSの増加率は、オニールがファンダメンタルで重要視する数少ない指標のひとつです。
あまりに多すぎる銘柄のなかから、有力な銘柄を見つけだす大事な要素として使われています。



実績EPSでスクリーニングする

  • 投資初心者も経験の豊富な投資家も、直近の四半期のEPSが前年同期比で18~20%くらいの上昇しかしていない銘柄は買いを控えたほうがよい。
  • 成功している投資家の多くは、EPS増加率の最低目標として25%や30%に設定している。
  • さらに成功率を上げるために、過去2四半期続けて、大幅にEPSが増加している銘柄を必ず選ぶのだ。
  • 強気相場(市場の大きな上昇トレンド)では、私自身は40~500%、あるいはそれ以上と飛躍的にEPSが増加した銘柄に絞るようにしている。

まずはEPSの実績値で銘柄を絞りこんでいきます。
条件は、EPS増加率の最低目標として25%以上です。

アナリストの予想や会社予想といった、将来の口約束を信じるのはあとから考えれば大丈夫です。

日本株の場合は、これだけで相当絞られるはずです。

そして直近2四半期で加速度的にEPSが増加していること、強気相場では40%以上の増加が見られるかも確認しましょう。


何千何万と選択肢があるので、スクリーニングの段階では基本は厳しくいきましょう。

個々の銘柄を実際に調べるとなると、かなりの重労働ですし、情報をアップデートしていくのも大変です。



将来の利益増加を見通す

  • 銘柄選択の過程をさらに厳しくするならば、次の四半期およびその次の四半期まで見越して、その前年同期のEPSを見るのだ。
  • そのとき、前年のEPSが例外的に大きかったり小さかったりしていないかを確認することが必要だ。
  • 前年同期の例外的な結果が季節要因によるものでないならば、今後の決算発表で強い数字が出るか弱い数字が出るかをある程度予測できるかもしれない。
  • また、EPSのコンセンサス予想(大勢のアナリストのEPS予想を集計した調査)を今年分および今後1~2年先の四半期分まで必ず調べて、その企業が上昇軌道に乗ると予測されていることを確認しよう。

増益率がだんだんと大きくなっていくことが理想です。
少なくとも将来にわたって、大幅増収増益が期待できる銘柄を探してみましょう。

企業のEPSは、季節性による変動の影響を排除するために、直前の四半期ではなく、前年同四半期と比べることが大事です。

例えば12月決算であれば、前四半期の9月ではなく昨年12月で比較します。

季節的要因や例外的な要因で、一時的に減収減益に見えていないか気を付けることも重要です。


そしてアナリストや会社予想の数値も、実績ほどではありませんが重要になります。
こちらは、これからも上がりそうなことを確認出来れば十分かと思います。



買い時も強気相場とともに終わる

  • 強気相場の後半では、長期にわたって上昇を続けていた多くの主要企業のなかには、EPS増加率が100%を超えているにもかかわらず株価が頭打ちするものも出てくることを理解しなければならない。
  • これには投資家もアナリストもいつもだまされるのだ。

強気相場の終わりでは、EPSの伸び率が大幅に増加した銘柄でも株価は頭打ちになることもあります。

みんなが既に買っていたらもう買い注文は振ってこないですからね。

良い株が買いとは限らないと頭の片隅に置いておきましょう。



保身型経営陣に縛られた歴史ある大企業を避ける

いわゆる大企業病です。
大企業に多く見られる、保守的で非効率な企業体制・組織風土を指します。

失敗が許されない減点主義の会社では、新規事業や事業拡大のリスクを冒すよりは現状維持をして失敗させない傾向にあります。
もしくは負の遺産だけを残して、後続に押し付けることもあるでしょう。

現状維持を目指しても、次第に衰退するのですけどね。

経営陣の交代がなされるまでは、このような企業に投資する意味はないと思います。

素晴らしい新製品や優れた経営陣は、会社をしっかりと成長させてくれるものです。



まとめ

当期四半期のEPSは、前年同期比で少なくとも25~50%以上の大きな上昇を示す必要がある。

投資前チェックリスト(次回とセット)

  1. EPSが3四半期連続で最低でも25~30%以上増加している。最新で伸びが急騰しているとなおよし。
  2. 強気相場では、EPS増加率は40~50%はほしい。
  3. アナリスト予想から上記EPSの増加が続きそうか、予想を上回るか確認する。
  4. 売上が直近の四半期に少なくとも25%以上増加、もしくは売上増加率が直近3四半期で加速している。
  5. 週単位の対数グラフで、EPSが右肩上がりになっている。
  6. 同業他社で強いEPS増加率を示している。

投資後チェックリスト

  • 2四半期連続でEPS増加率が、前回の増加率に比べて3分の2以上の減少したら見直しが必要。



最後に

オニールはテクニカル分析を重視するものの、ファンダメンタルズも一部使うバランス型で成功した投資家です。

テクニカル分析だけ行う投資家が主流のように感じますが、利益が取れるまで時間と知識をかなり必要とします。
またファンダメンタル分析のみを使うバリュー投資家は、現代の流動性が高いマーケットではバーゲンセールがなかなか行われません。

そのため、オニールのような両方の分析法を用いる、テクノファンダメンタルズ分析は、ビギナーにもとっつきやすく成功への近道といえます。
わたしもこのオニールの手法には大変お世話になりましたし、利益も頂きました。

みなさんのテクニックにぜひ取り入れてもらいたい一冊となっていますよ。

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