はぐれ猿でも、投資がいいんだ。

ふりむけばやさしさに飢えた弱肉強食の世界で

板情報トレード第9章②~ある日のデイトレード

本書のいいところは、具体例を交えてトレードを紹介する点にあります。

かいつまんで説明しますが、できれば本書に目を通すと良いでしょう。

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前回のあらすじ

テープを正確に読み切ったとしても、予想外の出来事で反対に動くことはよくあります。
[gyatuby.hatenablog.com

ワイコフは1908年12月21日のテープを用いて、間違え続けたとしても、最終的には利益を手にすることができた例を紹介しましょう。



誤り

本書を読めば十分わかるのですが、時系列順に簡単にまとめます。

まずはテープ解読者が犯した誤りを見ていきましょう。

100株買い

  • 寄り付き後しばらくの動きから見て、幾分インサイダーの指示があるようだった。
  • ユニオン・パシフィックを178七/八ドルで100株買った

まずはテープに前日の終値よりも以下のように安く始まりました。

  • 500(株) 179(ドル)、6000 178三/四

しかし寄り付き後しばらくの動きから見て、マーケットメーカーが株価を動かしていることを読み取ります。

そしてテープ解読者は、ユニオンを178七/八ドルで100株買います。



200株ドテン売り

  • だが、しばらくたつと、かなりまとまった新規の売り注文が出て、弱さが現れ始めたことに気づく。
  • ユニオン・パシフィックを178一/四ドルで売り手仕舞いした。
  • 同じ値段で100株売り建てる。

しかしインサイダーの気まぐれで、大量の売り注文を浴びせられ株価は下落し始めます。

そこで、テープ解読者は覚悟を決めて100株損切りしました。


理想をいえば、機械的損切りできるようになるべきでしょう。

損小利大の精神は、相場師として生き残るうえで大事なことです。
gyatuby.hatenablog.com


さらにテープ解読者はテープを読んで100株空売りします。

ドテン売りはリスクが高い手法ですが、ワイコフは特にとがめないみたいです。

ここでは読み通り、ユニオンは176一/二ドルまで下げたので、利益は確保できました。



200株ドテン買い(2度目の誤り)

  • その後、下げ圧力が一時的に消えたことを示す警告が出る。
  • サザン・パシフィックやそのほかの銘柄がかなり強含みとなり、ユニオン・パシフィックに買い戻しの動きが始まる。
  • テープ解読者はこれを転換点と見て、その時点の売り気配値を引き取り、ユニオン・パシフィックを176七/八ドルで200株買った。

ドテン売りしたものの、今度は買う側の力が増していきます。

こだわりを捨て逃げることなく、テープ解読者は200株ドテン買いをします。


何度も失敗すると嫌になることも多いですが、ここで逃げてしまっては本当に負けてしまします。

テープ解読者のトレードに優位性があるのならば、チャンスがあれば何度でも挑戦するべきです。

このような確率的思考は、トレーディングや投資にとって重要になります。
gyatuby.hatenablog.com



また200株でドテン売り

  • その後、相場はさらに上昇するが、テープに現れるのは小口の取引ばかりである。
  • しばらくして相場は動きを止める。
  • 反発は腰がすわっていない。
  • テープ解読者は、株価が再び反落して、前の安値まで行くかもしれないと考える。
  • ユニオン・パシフィックを176ドルで200株売った

またとしても相場は逆に動いてしまいます。

反発の勢いは小粒で、勢いを欠いていました。


ここでも、テープ解読者は払うべきコストと捉えて、ためらいはありません。

思い切って今度は200株ドテン売りを実行します。

つまり、買いポジションの100株を手仕舞いするとともに、176ドルで新規に100株空売りしたというわけです。



今度は報われて次を待つ

  • 弱気は続き、反発の兆しは現れず、株価は174ドル一/二ドルに達する。
  • 今やテープ解読者は、目を大きく見開いて反転の兆しを探している。
  • ここからは一/八ドルずつ下げるたびに、今はまだ不明な転換点に近づいていることを心得ているのだ。

今度こそはテープ解読者の読み通り、下落は続きました。

利益もある程度乗っています。


このときもただポジションをホールドするだけでなく、いつ手仕舞いするべきか注意を払っています。

1ポイントずつ下げるたびに、今はまだわからない転換点に近づいているのです。



反転をとらえる

  • 174一/二ドルをつけたあと、相場のトレンドはがらりと変わる。
  • 次第に大口の買いが入るようになる。
  • ユニオン・パシフィックを174七/八ドルで100株買い戻す
  • 反発の指標が増えるのを見て、ユニオン・パシフィックを175一/四ドル100株買う
  • 大引け間際には、最後に買った株を売るチャンスがいっぱいあり、結局ユニオン・パシフィックを176五/八ドルで100株売った

そして最後に大儲けすることができました。


ここで学んでほしいことは、一連のトレードは、トータルではうまくいったということです。

たしかに損失を出したトレード数のほうが多く、次回に指摘されますが間違いもありました。

しかし、トータルでは大きくプラスになっています。


もし途中でためらいや恐怖に捉われてしまったら、結果はどうだったでしょうか。

自信がない方は、投資のメンタル面に着目した投資本を何か1冊読むことをおすすめします。
gyatuby.hatenablog.com



まとめ

  • 確率的思考に基づいて、トレードに臨むべき
  • つまり一回ごとのトレードではなく、トータルで勝つことを意識すること

おわりに

デイトレードの技術を身につけたいと思ったきっかけは、中長期のトレードにも役に立つと思ったからです。

中長期であれば売買のタイミングが少しアバウトでもいいとはいえ、入るタイミングが悪ければ損切りラインに引っかかって損をする、もっといえば利益を逃すことにもなりかねません。


最近はYouTubeデイトレードのやり方を解説される方もいますが、まずは本書で学びたいと思っています。

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