ストップ(逆指値)注文は、損切りのときはもちろん、保守的に利益を確定させたいときに使われます。
今回は、そんなストップ注文の詳しい使い方について見ていきます。
ストップ注文の活用
- だからテープ解読者の課題は単に損をしないということにとどまらず、できるだけ早く経費分をカバーすることにあるといえる。
- ストップ注文は、現在値が純損失が出るぎりぎりレベルにあるときは使うべきではない。
- 少しの反落でストップに引っかかってしまうからである。
- だから、損益分岐点のストップが役に立つのは、突然際立った激しい反転が生じる場合に限られる。
収支プラスにするために、ストップ注文(逆指値注文)を使うことは考えられます。
ストップ注文(逆指値注文)とは、現在の株価よりも不利な価格を指定して発注する注文方法です。
ストップ注文で真っ先に思いつくのは、株価が少し上がったタイミングで、経費を含めた損失と利益がトントンとなる価格(=売却益ゼロ)でストップ注文することです。
つまり、損失ゼロを確定させる方法です。
しかし、このようなストップ注文はするべきではないし、何よりもったいないです。
機関投資家たちは、こうした握力の弱い株主を振るい落として安く手放すことを誘導し、買い集め(アキュミュレーション)をすることはよくあります。
なによりリスクを背負った以上は、それに見合うリターンを求めるべきでしょう。
そのため損益分岐点でのストップロス注文は、相場の急変が起こりそうなときに限ったほうがよいでしょう。
オニールも損切りラインを決めますが、逆指値注文は基本的にはしないように勧めています。
gyatuby.hatenablog.com
なお当たり前ですが、画面からしばらく離れるときや、システムトラブルで売買できない場合などにもストップ注文は有効です。
突発事態
- ティッカーは一番肝心なときに調子が悪くなるという癖がある。
- トレードを次の日に持ち越すときは、市場やトレーダーの突発事態に備えてストップ注文を入れておくのがよい。
- 翌日の取引開始までに、株価が激しく揺さぶられるような重大事件が起きるかもしれない。
- そうした場合にストップをどの位置に置くかは状況次第だ。
- 熟練した腕の良いトレーダーはたいてい、経費を含まない損失を最大限2ポイント見込むことを好む
- だが、突発的な事態で相場から切り離されたようなときは、どうしてもおおざっぱなストップに頼らざるを得ない。
仕事中にトレードを行うと常に相場を見るわけにはいきません。
加えてシステムトラブルが起こった時には、万が一に備えたいでしょう。
そんなときはストップ注文は有効です。
数日間のスイングトレードを行う場合にも、ストップ注文を入れてもよいでしょう。
突如として病気になったりなど、トレード画面を見ることができない事態にも備えられます。
その際にはストップの位置は自由で構いません。
どうせティッカーを見張ることができないので、大雑把にならざるを得ないからです。
もちろんできるならば、状況に応じてストップの位置を調整しましょう。
ワイコフは、ヒントとして損失を最大2ポイントに抑えることを示しています。
抵抗水準
- 「抵抗水準」―相場が意図とは逆に動いたあとでまた元の方向に動いたレベル―に着目することで、いっそう現在値に近い位置にストップを置くことができる。
抵抗線上にストップ注文を置くことも考えられます。
例えば、6,500円で空売りしたあと、株価が6,010円まで下げ、その後6,500円に反発し、さらにまた下げたとすれば、そのときの抵抗水準は6,500円です。
抵抗水準である6,500円より少し上でストップ注文を入れるとよいでしょう。
なお「抵抗水準」については、詳しくは後述されていますので、今は何となくで大丈夫です。
自動ストップ
- トレーダーの初めの仕掛けが適切だったならば、自動的に徐々にリスクが減少していって、やがて利益が損失を超えるはずである。
- こうしてストップが手数料をカバーできる位置にまで移動したら、すぐに自動ストップをやめて、相場が知らせてくれるストップに注意を払うようにして、手仕舞いの「シグナル」を待つのがよい。
- 自動ストップには難点があって、トレーダーが自由な判断をしづらくなることがある。
- 厳重なルール通りに動こうと以前決めたことなど気にしないで、自由に動いたほうが良い結果が出るのである。
自動ストップは、トレール注文とも呼ばれています。
自動ストップは、例えば株価が有利な方向に10円動くたびに、同じだけストップを同じ方向に10円移動させる注文方法です。
https://hirose-fx.co.jp/category/order/007.html
ただし、こうした自動ストップはあまりしないほうが無難だと指摘しています。
使ってみると分かりますが、割と振るい落としに引っかかってしまうことが少なくないのです。
制約を課さないほうが、かえって利益をもっと膨らませることができたかもしれません。
この点からも、トレール注文は避けるべきでしょう。
トレンドが不明確なとき
- ストップ注文が役に立つケースがもうひとつある。
- それは、相場の方向がはっきりと読めなくなったときである。
- 状況が変化して、そのまま持続するか、手仕舞うか、ポジションを逆にするか、決めかねるような事態になることがある。
- こんなときは、現在値にできるだけ近いところにストップを置くのがよい。
- そうするのは一時的な株価の変動に対して、適切な幅の許容範囲を設けるという趣旨である。
- 望む方向に動き始めれば、ストップ注文を変更するか取り消せばよい。
- トレンドが逆向きになった場合には、自動的にポジションが手仕舞われる。
損切りは保険です。
万が一の場合に備えて適切に損切りをすることは、相場で生き残るうえで大事な技術です。
gyatuby.hatenablog.com
ワイコフが言う通り、相場観に自信がない場合もストップ注文が有効になります。
適切な変動幅の範囲の少し外にストップを置くことで、レンジ相場でも安心してトレードに臨めます。
なお、相場観に自信があったとしても、最低限守るべき損切りラインは持つべきだと個人的には思います。
オニールの損切りラインは、買値から8%損したときです。
gyatuby.hatenablog.com
まとめ
- ストップ注文は、現在値が純損失が出るぎりぎりレベルにあるときは使うべきではない。
- ストップロス注文は、相場の急変が起こりそうなときに限ったほうがよい
- 「抵抗水準」に着目することで、いっそう現在値に近い位置にストップを置くことができる。
- トレール注文は避けるべき
- ストップ注文が役に立つもうひとつのケースが、相場の方向がはっきりと読めなくなったときである。
- こんなときは、現在値にできるだけ近いところにストップを置くのがよい。