損切りは保険の代わり。
大きな損失から身を守るための確かな防衛策を学びましょう。
去年、自動車事故を起こさなかったから今年は保険に入らない人はあまりいませんよね?保険に入ってよかったとも思いたくないですが、損切りを決断できない人に必見の内容です。
普通株には投機性とリスクがつきもの
- 普通株にはすべて少なからずリスクが伴う。株式市場には絶対もうかる株とか安全な株というものは存在しない。
- どんな銘柄がいつ下落してもおかしくはない。そしてどこまで下落するかなど、誰にも予測ができない。
- 50%という大きな損失は、最初は必ず10%や20%の損失から始まる。
- 買値から遠ざかって通常より大きな損失を出しているような銘柄は、もともと非常にまずい選択をしてしまった銘柄ということなので何が何でも無条件で売らなければならない。
- 不良銘柄による損失の拡大を防ぐには、その損失がまだ少ないうちに躊躇なく損切りするしか方法はない。
- 半導体やそのほかのハイテク関連銘柄は、そのほかの産業の銘柄よりも2~3倍不安定でリスクが高くなる。
- 素早く損切りするつもりがないのなら、けっして信用取引をしてはならない。
「 絶対もうかる・絶対安全」は普通株には存在しない。
これは企業ブランドがあったり、いわゆる優良株や割安株でも同じです。
また素晴らしい収益率でアナリスト予想も楽観的でも、成長株が天井を打つことは普通にあることを忘れてはいけません。
需要と供給で株価が決まる限り、どんな銘柄でもいつかは下落します。
そしてどこまで下落するかなど、誰にもわかりません。
だから損切りの決断と行動は素早く行う必要があります。
不良銘柄だとわかったら早めに損切りする。
株価が買値から遠ざかり、損失が10%以上に膨らんだらどうするべきか?
ここまでくると、その銘柄の売りのサインはもはや警告に代わります。
そのような銘柄はもともと不良銘柄だったからこそ、ほかの銘柄よりも早く下落しているのです。
それはその銘柄か市場全体で、何か大きな問題が起こっていることのサインを示しており、さらなる下落による損失を避けるためにも、なるべく早く売って手仕舞う必要があります。
損切りが遅れ含み損が50%を超えると、損益ゼロに戻すためには2倍(100%)上昇しなければならないことを忘れてはいけません。
gyatuby.hatenablog.com
あとからまた回復するかもしれないという希望を持つのは危険です。
回復に何年もかかる銘柄もあれば、二度と戻らない銘柄もたくさんあります。
たとえばグレイステクノロジーは当初は成長株扱いでしたが、不正が発覚して上場廃止になりました。
ハイテク銘柄はハイリスク

2000年に、ハイテク銘柄は必ず回復するから儲けやすいという誤った理由で、多くの素人投資家が下落するたびにハイテク銘柄を買っていました。
結果はグラフの通り大きな損失につながりました。
(高PERにもかかわらず、多くの投資家が買い進んでいるのがわかります。)
半導体やそのほかのハイテク銘柄は値動きが荒いです。
このような銘柄に投資するなら、いつも以上にすばやく動くことを心がけましょう。
損切りは保険の代わり
- この損失を抑えるという考え方は、保険の掛け金を支払うのと似ている。
- リスクを自分が安心できる水準まで引き下げているのだ。
- たしかに、売った銘柄がすぐに方向転換をして再び上昇するということが頻繁に起こる。それは悔しいことである。しかしそれでも、売ったことが間違いだったと考えてはならない。
- 損切りを素早くできるようになることも、投資で成功するうえでこの保険と同じ意味を持つ。
- 損切りは、回復不可能になるほどの大きな損失を被る可能性から身を守る、たった一つの方法なのだ。
- 小さな損失は、言ってみれば安い保険であり、あなたの投資に掛けられる唯一の保険
- 売ったあとに株価を再び上昇させる銘柄を多く見ることになるだろうが、たとえそうなったとしても、すべての損失を小さく抑えるという重要な目的は達成したことになる。
- そして次の勝ち銘柄を勝って挑戦するに足りる資金も十分手元に残したことになるのだ。
損切りにしたあとに株価があがることはまれによくあります。
このとき損切りしなければよかったと悔しがると思いますが、代わりにこのように考えてみましょう。
「自動車保険を買ったのに交通事故に遭わなかったら、保険に支払ったお金は無駄だったことになるだろうか?当然、今年も自動車保険に入ろうと思うことだろう。」
損切りも保険と同じ役割をしており、深刻な損失を被る可能性から身を守るために行うものです。
繰り返しになりますが、市場に逆らってはいけません。
調子が悪そうだなと思ったら迷わず損切りしましょう。
次への挑戦きっぷさえあれば、ドカンと勝って十分おつりが来ます。
損切りは素早く、利食いはゆっくり
なぜほとんどの投資家は過ちを犯してしまうのでしょうか。
それは、損失を膨らませるという深刻な過ちを犯すからです。
プロでも銘柄選択や売買タイミングを間違えることは頻繁にあります。
オニールですら10銘柄中1~2勝なのです。
プロとアマチュアの違いは損切りの早さというだた1点と言ってもいいでしょう。
損切りは最大8%までに行う、例外はありません。
ナンピン買いをするべきか?
- 更にまずい行動があるとしたら、(ブローカーが)責任から逃れようと顧客に「ナンピン買い」(下落している株を買うこと)を勧めることだ。
- 根拠のない希望を持つよりも、知識を持って行動するほうがはるかにましだ。
ナンピン買い・食い下がりはするべきではありません。
たしかに株を持ち続けていれば少なくとも損益ゼロくらいまでに回復するかもしれないし、現実にそのようなことは少なくありません。
損切りは、こうした希望を捨て、自分が間違いを犯したという認めがたい現実を受け入れることを意味します。(厳密には間違いではなく、負けることは当たり前なのですが。)
損益ゼロで手仕舞えるという希望はマーケットに何ら影響を与えません。
株価は需要と供給で成り立っていることを忘れないようにしましょう。
おわりに
損切りをすると言葉で言うのは簡単で、実際に損切りできない人は多いのではないでしょうか。
それは心理的にも損失を確定させたくない、もっというなら自分の間違いを認めたくないという気持ちもあります。
このブログのタイトルには、人の目なんて気にしないで自由に投資をしてほしいという思いを込めています。
プロだって勝率3割行かないのです。
決して負け犬なんかではなく、別に投資成績を誰かに話す必要もありません。
トレードは、むしろミスを犯しても最小限に損失を抑え、利益をいかに伸ばすかのゲームです。
マーケットを含め現実や仕事はとてもドライで冷たいことが多いでしょう。
せめて自分とそのまわりくらいには優しくありたいものです。