前回からの続きで、テープ解読者の動きについてみていきます。
儲けるトレーダーから具体例を学べるのは貴重なので、ぜひ何か盗みましょう。
前回のお話
ガスの急落
- それまで動きの鈍かった株価が下振れしたこの時点で、ガスがテープ解読者の注意を惹きつける。
- 彼は、この株が相場の意図を切断してすべてを下落させる鋏の役目を果たすのではないかと考え始める。
- 戻りに力強さはない。あちこちでジリジリ下げ始めているが、テープ解読者は、大きなスイングによる確信が持てるまではトレンドに乗るわけにはいかない。
- セントラルは130ドル付近で買い手がが買い尽くしたあと、かなりの売り物が残っているとみえて、129三/四ドルに下げる。
- ほかの銘柄は小口の売買にとどまっている。
- 相場は大きな下げの瀬戸際にきている。
- どんなショックがあっても下落の引き金になりそうだ。
レディングが下落する兆しを見せるなか、コンソリデーティッド・ガスでは試しの戻りがあるも、力強さがありません。
このようなときは、むやみにポジションを取らないようにしましょう。
大きなスイングで利益が得られると自信を持った後でも、十分利益を得ることができるはずです。
ガスの下げはほかの銘柄にも波及する可能性があり、どんなトリガーでも下落がスタートしそうです。
相場の崩れ
注目していたようにガスで急落が起こります。
何か悪材料が出たのでしょう。
ガスが相場全体に波及効果を及ぼすため、テープ解読者は選んだレディングで空売りを仕掛けて儲けようとします。
実際にこの試みはうまくいきました。
心理的な動きとトレード方法
- ガスは激しく下げ、ほかの銘柄もその後を追って「転げ落ちる」。
- 以上は、テープ解読者の心の動きを具体的に説明したものである。
そしてガスの急落を受け、均衡状態だったマーケットはブレイクします。
以上までで、ワイコフによる相場での動き方について、具体例を用いてわかりやすく説明が終わりました。
まとめとして、大事な要素が詰まっているため、細かく見ていきましょう。
波及効果
昔あった株価の動きをワイコフが解説したとおり、銘柄間では少なからず影響を及ぼし合っています。
波及効果については、オニールも説明しているため気になる方はお読みください。
gyatuby.hatenablog.com
なお、銘柄選びの章でも出てきましたが、株価の動きに連動する銘柄はもちろん、補完する銘柄も併せて確認すると良いでしょう。
マーケット全体の動きに注目する
- トレードを手仕舞う合図は、すべての上場銘柄が互いに影響し合って動き、はっきりと共通のトレンドが形成される市場全体から発せられることもある。
ほかの銘柄だけでなく、市場全体の動きからも影響を受けます。
マーケット全体の動きに対する監視方法については、オニールが丁寧に解説していますので参考にしてみてください。
gyatuby.hatenablog.com
ただしワイコフはより短期間で見るので、注意しましょう。
押しや戻りの強さ
- そうした合図のなかで、非常に有効なのは押しや戻りの強さや弱さである。
板を読む上で重要な要素です。
売りと買いどちらが強いか判断することで、押しや戻りについていくべきかわかるようになります。
その銘柄の出来高や株価の動きはもちろん、他の銘柄の動きも大事なヒントです。
テープからのニュース
悪い情報は、速報で流れるニュースよりも、いち早く株価に反映されます。
ガスの急落は、当社に不利な判決が出たためでした。
考えれば当たり前のことで、誰かがニュースの原稿を作っている間に、チャンスを活かしたい別の人物が空売りしないわけがありません。
ときには非公表の情報だったのに、株価やチャートに「現れている」なんてこともあるくらいです。
チャートはすべてを映す鏡ともいわれます。
覚えておきましょう。
まとめ
- 銘柄への波及効果を意識しよう
- トレードを手仕舞う合図は、市場全体の動きから発せられる場合がある
- 合図のなかで、非常に有効なのは押しや戻りの強さや弱さである
- 悪い情報は、速報で流れるニュースよりも、いち早く株価に反映される