テープ解読(板読み)は時代遅れではないのか?
チャートソフトが充実した現代において、こうした疑問が浮かぶかもしれません。
今回は、テープ解読者はチャートだけでは満足しない理由について学んでいきます。
フィギュアチャート
- 読者:フィギュアチャートが相場の動きのなかからアキュミュレーション(買い集め)やディストリビューション(売り抜け)を見つけだすのに、一番有効な手段だと考えています。
- 読者:あなたは、チャートはほとんどの場合人を誤らせやすいというので、チャートには頼らず、収益を研究するように投資家に助言しています。
- 読者:あなたはいつも、テープを見れば展開が分かるとおっしゃっています。
- ワイコフ:まず最初にチャートの活用とテープ解読の違いをはっきりさせよう。
本書で使われているフィギュアチャートは、〇の代わりに株価が書かれたものなのですが、ここでは代表的なポイントフィギュアチャートを紹介します。
普段のロウソク足チャートと異なる点は、時間軸をとらないところです。
縦軸は価格をとるところは同じですが、上昇や下落が続く限り1本に描かれ続けます。
つまり、反転すると右マスへずれて記入されていくのです。
詳しく知りたい方は楽天証券が分かりやすかったので、参考にしてください。
https://www.rakuten-sec.co.jp/MarketSpeedFX/onLineHelp/info/sp_chart/pf.html
では次にこのチャートの活用とテープ解読の違いを見ていきましょう。
チャートプレイヤー
- 本格的なチャートプレイヤーは普通一銘柄だけを手掛け、その過去の変動をもとにして、多少なりとも明確なルールに従って取引を行う。
- 相場や各銘柄はまるで機械のように扱われる。
- 相場の状況について判断することもないし、ほかの銘柄を考慮に入れることもない。
- しかし、指標に従って「プレー」するかどうかについては、ほとんど自分で勝手に決める。
ワイコフが言うチャートプレイヤーは、基本的には単独銘柄でしかトレードしません。
また相場や他の銘柄群から受ける影響は無視して、自分の銘柄に集中します。
そのためチャートと自分の心を中心として取引を行います。
なお、周りに流されず機械的に判断できるということは、ビギナーでも実践可能と言えるため、それはそれですばらしいものです。
期待値の高い手法を、機械的に実践することができるならば、投資成績は着実に上がっていくことでしょう。
テープ解読者
- テープ解読者は、テープが今現在示している内容に基づいて取引する。
- ある特定の銘柄にこだわることはなく、銘柄を決めたのちは、鉛筆や紙やどんな種類のメモも使わずに作業する。
- テープ解読者にもルールがあるが、チャートプレイヤーほど明確に決められたものではない。
- 非常にたくさんの多様な状況に出くわすので、そのルールはだんだんと直感的に―自己訓練と経験によって発展したある種の第二の天性のようなものに―なっていく。
他方でテープ解読者は、たくさんの情報のなかから、ある種の勘とセンスで取引を行う者といえるでしょう。
銘柄選択も、監視銘柄のなかからサインが出たものを手掛けるイメージです。
株価と出来高は、チャートに比べるとより生のデータであり、意味づけがされていません。
自分で解釈する必要があります。
現在ではチャ―トプレイヤーが主流かと思いますが、根本的にはテープ解読が根っこにあります。
だからこそ、テープ解読の技術を身に付けた者には、より多くのご褒美がもたらされるのかもしれませんね。
テープ解読者になるためには
- 「あなたは、どの瞬間にどのルールを使えばいいかが頭にひらめくほど、自分のルール全部を完璧に会得したのだろうか」と。
- 「あなたは交通の激しい通りを横断するとき、いちいち立ち止まって、トローリーバスの前を駆け抜けるべきとか、馬車をよけるべきときとかを指示するルールを確認するだろうか。~中略~よそ事を考えているときも、いつ歩き始めて、どんな速さで歩くべきか判断できるはずだ。」
- ただし、テープ解読者も、指針や指標を読み取ったり、記憶の助けとするためにチャートを使うことがある。
テープ解読者は、あらゆる情報を(ときにはチャートさえも)使います。
複数のタスクを同時並行にこなす必要があるため、ビギナーは傍から見ると、何をしているかわからないことでしょう。
「彼は凄腕のトレーダーなんだ!」
「初めから才能があったに違いない!」
「できるなら教えを請いたい!」
そんなことを思うかもしれません。
これは正しいともいえるし、本質とずれているといえるかもしれません。
精神力と柔軟な思考がモノを言う
技術を学ぶことは、意欲さえあればどなたでもできます。
問題はその技術を適時適切に使いこなす頭の回転力や判断力、それらを支える勇気や根気強さといった精神力です。
ここまでの域となると、恐らく言語化は難しいのでしょうね。
車が走る横断歩道の渡り方を改めて教えるのと同じようなものです。
まずはひとつずつ技術や知識を身につけて、それを実践してみましょう。
その積み重ねでしか、テープ解読者への道は開けないように思います。
まとめ
- チャ―トプレイヤーとは、周囲に流されずに自分とその銘柄のチャートに集中する者を指す。
- 他方、テープ解読者は、あらゆる銘柄のテープからもたらされるあらゆる情報を駆使して、柔軟に判断する者を指す。
- また、複数のタスクを同時に処理するため、テープ解読に決まった法則を作り上げることは不可能である。
- まずはひとつずつ技術や知識を身につけて、それを実践してみましょう。