はぐれ猿でも、投資がいいんだ。

ふりむけばやさしさに飢えた弱肉強食の世界で

賢明なる投資家第1章①〜投資と投機

プロではない個人投資家ために、健全なポートフォリオをどのように構築するべきか説明しています。

個人投資家は、いったい何を基準にポートフォリオを組めばいいのか。

こういった疑問に答えるのが本書です。

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投資と投機

  • 投資とは、詳細な分析に基づいたものであり、元本の安全性を守りつつ、かつ適正な収益を得るような行動を指す。
  • そしてこの条件を満たさない売買を、投機的行動であるという。

当たり前のことを言うじゃないか、と思われるかもしれませんが、それだけ投資と投機の言葉の使い方には時代によって変化しました。


例えば1929年〜32年にかけて市場が大幅に下落した後は、あらゆる普通株はその性質上、投機的なものであるという見方が大勢を占めました。

中には投資は債券に限るといったプロもいたくらいです。


直近でもアベノミクスが始まる前だったり、コロナショックの時はそうだったかもしれませんね。



世間はいつでも投資を間違える

  • 実に皮肉なことに、普通株が最も魅力的な値段で売りに出され、そしてまもなく歴史的な価格高騰が始まろうとしている時に買うこと自体が、ごく一般的に投機的すなわちリスキーだと考えられていた。
  • 逆に、過去の経験から間違いなく危険だと判断できる水準まで市況が上昇したという事実こそが、「投資」という言葉を生み出し、株の買いに走る一般大衆全体を「投資家」と呼ぶ原因となったのである。

逆に、市況がまさに投資一色(まさに今かもしれませんが)の場合、どのようなお金の掛け方も「投資」と言われてしまうこともありました。

デイトレードだろうが、成長株投資だろうが、果ては空売りだろうがなんであれ、それは投機ではなく「投資」と括られてしまったのです。


そして株式市場全体が暴落して重大な損失を被った時に、これは投資ではなくギャンブルであったと痛感するのです。



リスクゼロは存在しない

  • リスクとは利益を得るチャンスと不可分であり、投資家の計算においては必ずリスクとリターンの両方を考えなければならない。
  • 代表銘柄からなる完璧な投資方針などというものはないということであり、いつでもだれもが、市場のリスクまたは「相場上」損失を負わない価格になるまで待って買うようなことはできないということである。
  • いつでも、投資家は自分の保有株には投機的な要因があるということを認識していなければならない。
  • この要素(リスク)を最小限に抑えると共に、いつやってくるか分からない来たるべき逆境に対して、財政的そして心理的に備えるのが投資家の仕事である。

よく勘違いされがちなのが、バリュー投資は安い時に買うと言うわけではありません。

本書でも述べられている通り、相場上で損をしない、つまりほぼ確実に利益になる価格になるまで待って買うことは現実的にはできません。


すなわち、普通株投資には必ずリスクが存在していると言うことです。

それゆえ、一時的な暴落で含み損を抱えることを覚悟しなければなりません。


バリュー投資はあくまで価値に照らして妥当な価格で買うことを目的としており、これによってリスクを最小限に抑え、仮に暴落してもいいように資金管理やメンタルを準備しておく必要があります。



愚かな投機の仕方

  1. 投資と勘違いした投機
  2. 娯楽としてではなく真剣に、しかも適切な知識も技術も持たずにする投機
  3. リスクを許容できないほどの金額をかけた投機
  • 賢明なる投機もあるのだが、残念なことに愚かと言わざるを得ない投機の仕方が往々としてあるのだ。

賢明なる投資があるように賢明なる投機というものもありますが、大抵は愚かと言わざるをえない投機が横行しています。

一つずつ見ていきましょう。



1.投資と勘違いした投機

  • いわゆる「人気」株、またはそれに類する株を買う人はすべて、投機またはギャンブルをしているのだ。

いわゆる人気株は、その銘柄の価値以上で取引されていることがほとんどです。

ではなぜ人気かというと、理由のひとつには価格が短期間でさらに高騰する可能性があるからです。


これはバリュー投資の理念に反しており、人気株は買うべき対象から除かれますが、大儲けできることは度々起こります。

なぜなら市況は狂気に陥ることが度々あるからであり、本書でも歴史上この狂気が起こっていることを指摘しています。


早期に億り人になりたい方は、この道を進まざるを得ません。

そのような時はテクニカル分析を徹底して行う必要があるでしょう。
gyatuby.hatenablog.com



2.不勉強なのにのめり込むギャンブル

  • 娯楽としてではなく真剣に、しかも適切な知識も技術も持たずにする投機

投資と言われるとなぜか、勉強もせずに賭けてしまう方が少なくありません。

普通株への投資は、家電を選ぶのと同じように、スペックを調べ比較検討することが重要になります。


不勉強でもお金が儲かるのは、最高に楽しいものです。

しかしこれはもはやギャンブルと同じです。


またギャンブルで「継続的に」勝つのにも、それなりの知識や経験、判断力が求められます。

ビギナーズラックは続かないというわけです。



3.リスクを許容できないほどの金額をかけた投機

  • 信用取引をする素人は、そのこと自体が投機であることを認識すべきであり、彼らにそのことを指摘するのは証券会社の義務である。

主に信用取引をする素人は、財政上そして心理的にも余裕がなくなるため、そのこと自体が投機であると認識すべきです。


バリュー投資では耐える時間も必要になります。

せっかく耐えれば利益になる銘柄を手に入れたのに、借金に怯え泣く泣く手放すことになっては意味がありません。


信用取引をするなとまでは言いませんが、余裕のある資金管理は重要になります。



投機はほどほどに

  • このゲームに勝っているときは、実に心楽しい。
  • もしあなたが投機で運試しをしたいなら、このための資本ー少ないに越したことはないーは他の資本とは別に分けておくことである。
  • 利益が上がり、利益が転がり込んできたからといって、さらに資金追加をすることは禁物である(この時こそ潮時である)。

投機は勝っている時は非常に楽しいものになります。

もし投機を行いたい場合には、投機のための資本を、投資用資本とは別に用意しておくことをオススメします。


そして市場が上がり、利益が転がり込んだからといって、さらに資金を追加してはいけません。

このゲームでは資金管理をしっかりしないと、あっという間にすっからかんになってしま卯からです。


もし期待値で上回る投機を見つけたなら、なおさら試行回数を重ねる必要があります。



まとめ

  1. 投資とは、詳細な分析に基づいたものであり、元本の安全性を守りつつ、かつ適正な収益を得るような行動を指す。
  2. リスクとは利益を得るチャンスと不可分であり、投資家の計算においては必ずリスクとリターンの両方を考えなければならない。
  3. 投機はほどほどにしよう。

おわりに

投機(ギャンブル)で勝つためには、期待値で勝つという考えが重要になります。

100回繰り返したら、勝ち分が負け分を上回る勝負を見つけることです。


しかし問題は、そんな勝負が見つかるかということと、真似するのが簡単な場合には競争状態になって儲けるのが難しくなることです。

やはりギャンブルで勝つには、特別な才能と勤勉さが求められているといえるでしょう。

不勉強では沼に落ちるのがギャンブルのやっかいなところです、楽しいのですけどね。

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