マーケットが天井を付けたタイミングで空売りをする。
それは正しいのですが、天井を付けたあとに多くは反発が起こります。
この反発次第で、空売りで踏み上げを食らい大損することも十分あり得るのです。
今回は、この反発が失敗に終わるかチェックする方法を学んでいきます。
反発したときはどうするか
- 天井近辺での1日、あるいは2~3日のディストリビューション(売り抜け)の日のあと、株価指数はほとんどの場合、4日か、それ以上連続して下落する。
- そして数日以内に反発の動きがある。
- これが新たな安値水準における株価指数の状態と力を評価する次の機会となる。
- 市場が出来高の増加を伴って反発できるかどうかに注意する必要がある。
天井を付けたあとは、すぐに下落し続けるかといわれるとそうではありません。
安値付近では、その安値で買うのを待っている投資家たちの行動によって、反発することも多々あります。
そして早すぎた空売り勢は踏み上げを食らい、安くない犠牲を支払うことになります。
フォロースルーとは?
- 天井近辺での1日、あるいは2~3日のディストリビューションの日のあと、株価指数はほとんどの場合、4日か、それ以上連続して下落する。そして数日以内に反発の動きがある。
- 市場が出来高の増加を伴って反発できるかどうかに注意する必要がある。
- 日足ベースの株価指数が短期的な底から反発して最初の3日間は、その3日間のすべてで出来高の増加を伴って大幅な株価上昇を示した場合を除いて、すべて無視するべきである。
- 本物の株価指数の反転は、85%の確率で出来高を伴った力強い株価上昇の「フォロースルー」の日を伴う。
- これは通常反発の4日目から10日目の間に起こり、主要な株価指数の少なくとも1つが前日よりも出来高の増加を伴いながら、1.7%以上上昇する。
フォロースルーの考え方については、前書『オニールの成長株発掘法』でも説明がありました。
前書では、マーケットの底を見極める際にフォロースルーを監視します。
本書『オニールの空売り練習帖』では、1.7%以上の上昇といった具体的な数字等が補足されているので、前書と併せて読むと実際のトレードでさらに捗るでしょう。
gyatuby.hatenablog.com
フォロースルーの見極め方
では改めて、マーケットの底でのフォロースルーを見極める目安をまとめます。
なお、私が理解した内容をわかりやすさ重視で書いていますので、本書でも併せてご確認ください。
空売りの売りポイント
フォロースルーと出来高の動きは注意してみる必要があります。
特に空売りをしようとする場合は、適切な売りポイントを探さなければならないため簡単ではありません。
この方法をマスターすることができれば、主要な株価指数に関するかぎりは空売りのタイミングがつかめるといえるでしょう。
フォロースルーの失敗を確認する
- いったん市場で上昇へのフォロースルーが起こった場合は、株価指数を観察してフォロースルーが失敗しないかどうかを確かめることが重要である。
- フォロースルーに失敗したときは次の空売りの良い機会である。
- 反発が失敗に終わったということを判断するためには、フォロースルーの日のすぐあと、1日ないし2日のディストリビューション(売り抜け)の日を見るだけでよいということに注目してほしい。
フォロースルーが起こったからといって、上昇が始まるとは限りません。
実際に天井を付けたあとにフォロースルーが起こった場合には、フォロースルーが失敗するか見極めましょう。
フォロースルーを過信してはいけません。
むしろ天井近辺でのフォロースルーの失敗は、新たな空売りのチャンスになるでしょう。
本書では、フォロースルーが失敗する事例を2つ取り上げています。
空売りの2つのサイン
では長くなったので、ここで少しまとめます。
主要な株価指数が空売りのサインを出す場合は、以下の2つになります
- 天井を付けたあと、(出来高が減り)上昇の力が明らかに弱まったとき
- 同じく天井を付けたあと下落するも、フォロースルーの反発があったあとにディストリビューションが起きたとき
フォロースルーの失敗を理解するポイント
フォロースルーの失敗を見極めるのは、思ったより繊細な作業になります。
たしかにファンダメンタルが優秀な銘柄が、幅の広いルーズなベース形成から新たなブレイクアウトしている最中に、フォロースルーが発生した場合には警戒する必要があります。
しかし、優良銘柄のブレイクアウトが少なく、新たなリーダー銘柄が出現していない場合は、そのフォロースルーについて怪しいと疑ってください。
つまりそのようなときは、いわゆるクズ株が人気化して急上昇しているため、一定の目安にはなるでしょう。
通常であれば、正しいフォロースルーの日は、CAN-SLIMを満たす多くの銘柄が、健全なベースから力強くブレイクアウトします。
もしこれが起こらないようであれば、そのフォロースルーは失敗する可能性があることに注意を払いましょう。
これは私も経験不足で、失敗することはあります…
まとめ
- 天井をつけたあとはいったんは下落するが多くは反発する。
- 反発が本物かどうかは、フォロースルーが発生するか注意する。
- フォロースルーが起こっても、ディストリビューションが起こり反発に失敗する可能性はある。
- フォロースルーが失敗したとき、新たに空売りするチャンスが生まれる。
おわりに
空売りを仕掛けるときには、マーケットの底を見極める方法を応用します。
ただしこれだけだと、マーケット全体のムードが空売りを仕掛けるには最適だということはわかりますが、どの銘柄をどのタイミングで売るかはわかりません。
もちろん今後にその方法についての記述が出てきます。
ここで押さえてほしいのが、マーケット全体の雰囲気を知ることが、空売りで儲けるための土台になることを忘れないでください。
これからの内容もかなり難しいものとなっていますが、何度も読んで体に覚えさせましょう。
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