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オニールの成長株発掘法~第9章⑥~マーケットの転換期を見つけるそのほかの方法


CAN-SLIMとは、大化け銘柄が持つ7つの主な特徴を7文字のアルファベットで表します。
本日は「M-株式市場の方向」6回目です。

今が強気相場か弱気相場か。
それを見分ける方法をこの章では取り扱います。

今回はマーケットの転換点を見極めるその他の方法です。
平均株価と出来高に注目するのが最善の方法ですが、他にもやり方はあります。
有名なものも含めて見てましょう。

by カエレバ

マーケットの転換期を見つけるそのほかの方法

平均株価と出来高を使う方法以外にもマーケットの転換を知らせるシグナルがあります。
重要度は下がりますが把握しておくに越したことはないでしょう。

主要な平均株価のダイバージェンス(乖離)を探す

  • それぞれの平均株価が相反する方向(ある指標は上昇したのに別の指標は下落したなど)に向かっていないか、そしてある指標が他と比べると大きく上昇したり下落していないか、などの動きを探す
  • ほとんどのプロ投資家が主要な指標のチャートを並べて見るのは、このように指標が大きく動いても必ずしもそれが主要な転換期を示すものではないことを簡単に見抜くためなのだ。

マーケットの転換期を見つけるためには、平均株価を一つだけではなく、いくつか確認して大きなダイバージェンスが起こっていないかを観察します。

いくつかの株価平均を相対評価するためには、比較できるように調整する必要があります。

たとえばS&P500とダウの値動きを比べるには、まずダウをS&P500で割り、そこで導き出された数値とS&P500の前日との差を掛けることで相対的な比較が可能になります。

ダウとS&P500を相対比較するには

特にダウはわずか30種しか銘側を構成していないために、機関投資家が意図的にダウを上昇させる一方で、それに隠れるようにしてナスダック銘柄を大量に手仕舞いすることがありました(1984年1月)。

ダウだけ上がっているようなら、注意するに越したことはありません。


役に立つ投資家心理の指標

プットとコール

コール(普通株を買う権利)とプット(普通株を売る権利)を観察することで群集心理を把握することができます。
トレーダーはコールを買うことで株価の値上がりを狙い、プットを買うことで株価の値下がりを望んでいます。

コールよりもプットが多く買われている場合は、プット・コール・レシオは1倍を上回り、弱気の見通しを立てています。

ただし裏切られることもあるので、やみくもに信頼しないほうがいいでしょう。

空売り比率

空売り比率は、空売りされている株式の数を総出来高との割合を示します。
市場の投機家がどのくらい弱気かを確認できます。

弱気相場が底を付けるときには、空売りの急増を示す数値の上昇が通常2回か3回現れます。

過去の歴史について研究すると、だいたいの目安がわかるかもしれません。

(ナスダック対NYSE出来高比率

両市場の出来高を比較して投機家の動向を探ります。

トレンドが一方的に動きをするときというのは大規模な投機家の動きを示しており、市場全体の調整がまもなく訪れることを暗示しています。


過大評価された騰落ラインを解釈する

  • 騰落ラインとは、1日の上昇した銘柄数と下落した銘柄数と比較して、その比率をグラフ化したものである。
  • 騰落ラインには主要な株価平均ほどの信頼性はない。
  • 明確な弱気相場の短期の上昇を試みるときには役に立つ。
  • 騰落ラインが平均株価に遅れて上昇したものの再び下落するようならば、たとえダウやS&Pで強い上昇が見られても、マーケット全体はまだ脆弱であることを示している。
  • 騰落ラインは使い道が限定された補助的な指標である。

騰落ラインの動きは敏感なため、天井を付けるずっと前に危険アラームを出します。
したがって騰落ラインはあまり信頼できません。

使い道は短期目線でしか使えないでしょう。
主にトレンドに逆らう調整場面で、利幅を得る戦略ならば有効かもしれません。

FRB金利変化に気を付ける

マーケットの全体像を占うファンダメンタル指標のなかで重要な指標は以下のものがあります。

特に金利は景気にダイレクトに影響します。
これは金利水準がFRBの金融政策の引き締めや緩和に密接に関係するからです。

金融政策には常にアンテナを張りましょう。
過去には3回連続の利上げで弱気相場が始まり不景気に突入しました。

1981年の暴落を招いたFRB

4回の利上げでリセッションに陥りました。
ただしオニールは、株価平均の動きに勝る最高の指標はなく、FRB金利動向だけを信じてはいけないと注意喚起しています。

ちなみにFRB上げ、政府下げの酷評が書いてあります笑
サブプライムローンを過熱させた責任は連邦政府にあり、ウォール街の大企業も加担したと批判しています。

1962年の株式市場暴落

政府の過剰介入があったものの、キューバ危機終結で弱気相場から新たな強気相場となりましたが、この一連の動きの中ではすべて公定歩合の変化はありませんでした。

また6か月後に利下げが起こったこともありましたが、待っていたら強気相場に乗り遅れました。

他方、利下げしたのに弱気相場が続くことも幾度かあります。
やはり市場平均が一番大事ということです。


平均株価と出来高を1時間ごとに確認する

  • 重要なマーケットの転換期に入ると市場の平均株価と出来高の推移を1時間ごとに調べて、それを前日の同時間の出来高と比べるという作業を行う。
  • マーケットが天井を付けてから最初の下落後に、初めて戻りを試すときに、出来高の推移を1時間ごとに確認するのが最も効果的だ。
  • また、平均株価が以前の安値水準に到達して、その支持線(投資家がそれ以上は下落しないでほしいと願う心理状態が株価に働く安値水準)を試しているときにも、出来高の観察が役に立つ。
  • 過去の安値を株価が下に抜けてからすでに数日たったのに出来高はわずかしか増えていない場合も出来高の観察が有効。

転換点をより見極めるためには日足より短期の時間軸で見る必要があります。
転換点かな?と思われる順に説明していきます。

マーケットが天井を付けてから最初の下落後に、初めて戻りを試すとき

出来高の1時間足の推移をよく観察して上下どちらにパワーがあるか見ます。

特に、株価はその日の後半で上昇する力が弱まったのに出来高は増えてきた、といった兆候も、戻りが力不足でおそらく頭打ちに合うだろうと予想できます。

これは今までの日足で見るときと変わりません。
転換点を見極めるために、より短期目線になっただけです。

平均株価が以前の安値水準に到達して、その支持線を試しているとき

売り圧力を確かめるために出来高を見ましょう。
大量の売りが出来高に現れた場合は、市場に大きな売り圧力がかかっていることを示しています。

過去の安値を株価が下に抜けてからすでに数日たったのに出来高はわずかしか増えていないとき

出来高が激減する、または平均株価が下げ止まって出来高が1日~2日上昇する、といった日が発生するかを見定めます。

このような状況はふるい落としの可能性があります。
ふるい落としとは、マーケットがトレーダーに大きな売り圧力をかけることで、損切りを巻き込むことも多いです。
この場合は潜在的な売りが減るため、株価が再び上昇に転じる準備を進めていることを示しています。


「買われ過ぎ」と「売られ過ぎ」ー2つの危険な言葉

  • 短期の買われ過ぎ・売られ過ぎ指標は、株価の上下の動きを10日移動平均線としてグラフ化したもので、個人投資家テクニカルアナリストの熱い支持を得ている。
  • 新たな強気相場の初期段階では、この指標が極端な買われ過ぎを示すことがあるので、注意が必要。
  • トレンドとは逆の動きをするこのような指標の大きな問題点は、転換期が終わりを迎えるまでに、あとどれくらい株価が下がるのかという疑問を常に抱えることになるということである。
  • 私(オニール)はこのような売られ過ぎや買われ過ぎを示す指標にはほとんど注目しない。

買われ過ぎ・売られ過ぎの指標は、主要トレンドの調整局面を狙って利益を得るのが目的です。
もしくはレンジ相場では有効といえます。

それゆえに何倍ものリターンを狙って中長期的に保有する成長株投資では、トレンドに従って含み益を膨らませるため向いていません。

マーケットを占うそのほかの指標

他にも補助的な指標は存在します。
いずれもデータ収集や計算に一苦労します。参考までにどうぞ。

  • 上昇株・下落株出来高
  • 企業年金基金への新規投資資金の割合
  • ディフェンシブ銘柄指標
  • 新高値を付けているディフェンシブ銘柄・低迷銘柄の比率



本章のまとめ

  • マーケット全体の平均株価と出来高の日々の変化と、市場を先導する個別銘柄の動きを学び、それらを読み取る方法を習得せよ。
  • 市場の将来の動きを予測したり言い当てることが株式市場の熟練者の道ではない。
  • 過去数週間で実際に何が起こって、現在は何が起こっているかを知って理解することが正しい道だ。
  • 平均株価と出来高の変化を解釈するというこの手法の最大の利点は、市場の天井と底をうまく見極めるようになるというだけではなく、市場が下向きのときに、戻りを見極める技術を習得できるということでもある。

おわりに

全6回にわたって「M=株式市場の方向」を見ていきました。
ボリュームが多くて消化するのに時間がかかりますが、まずは平均株価と出来高を意識しましょう。
特に天井を見分けるための「売り抜け」、底抜けを見極める「上抜け」は重要です。

結局はどんなに素晴らしい銘柄であっても、市場全体の需要が高まらない限り大化けすることはありません。
CAN-SLIM投資の最後で最も重要な要素だと思っています。
じっくり時間と経験を積み重ねて、本著と当ブログを活用してください。