今回はマーケットの転換点を見極めるその他の方法です。
以前にも説明されたとおり、平均株価と出来高に注目するのが最善の方法ですが、他にもやり方はあります。
重要性は少し下がりますが、見ていくことにしましょう。
主要な平均株価のダイバージェンスを探す
- それぞれの平均株価が相反する方向(ある指標は上昇したのに別の指標は下落したなど)に向かっていないか、そしてある指標が他と比べると大きく上昇したり下落していないか、などの動きを探すのである。
- ほとんどのプロ投資家が主要な指標のチャートを並べて見るのは、このように指標が大きく動いても必ずしもそれが主要な転換期を示すものではないことを簡単に見抜くためなのだ。
マーケットの転換期を見つけるためには、平均株価を一つだけではなく、いくつか確認して大きなダイバージェンス(乖離)が起こっていないかを観察します。
この時いくつかの株価平均を相対評価するために、数値を調整する必要があると説明しています。
一応説明しますが、比較チャートを使える方は無視して構いません。
複数の主要な平均株価を比較するためには
たとえばS&P500とダウの値動きを比べるには、まずダウをS&P500で割り、そこで導き出された数値とS&P500の前日との差を掛けることで相対的な比較が可能になります。
特にダウはわずか30種しか銘側を構成していないために、機関投資家が意図的にダウを上昇させる一方で、それに隠れるようにしてナスダック銘柄を大量に手仕舞いすることがありました(1984年1月)。
一つの指数だけで判断してはいけない
ダウだけ上がっているようなら、注意するに越したことはありません。
もしかしたらある指数で強気相場と見せかけて、裏で大口投資家は大量に処分してるなんてこともあリえます。
そのため、複数の指数を確認することを忘れないようにしましょう。
役に立つ投資家心理の指標
他にも投資家心理を確認できる指標は存在します。
プット・コール・レシオ
- コールとプットの割合をグラフ化して分析することは、群集心理を知るうえで貴重な手がかりとなる。
コール(普通株を買う権利)とプット(普通株を売る権利)を観察することで、群集心理を把握することができます。
オプション取引については下記記事をご覧ください。
gyatuby.hatenablog.com
コールよりもプットが多く買われている場合は、プット・コール・レシオは1倍を上回り、弱気の見通しを立てています。
ただし裏切られることもあるので、やみくもに信頼しないほうがいいでしょう。
アナリストの割合
- 弱気の見通しを持っている専門家や評論家の割合も、投資家心理を計るうえで興味深い。
- 弱気相場がそこに近づいていると、彼らの助言はだいたい弱気なものになる。
- 市場の天井が近いと、だいたい強気の内容になる。
- つまり肝心な転換期では彼らの助言は間違っているということだ。
アナリストたちが弱気意見を述べるまでには、顧客の大口投資家をすでに逃しているといわれています。
したがってその時点では正しい意見だったとしても、すでに逃げているのならば供給が続かないかもしれません。
これが転換期においては、アナリストの意見はあてにならないという理由の一つです。
なお、こちらもやみくもに信頼するのはやめましょう。
逆張りに動いて報われるとは限りません。
転換期を見つける方法まとめ
- 主要な平均株価のダイバージェンスを探す
- プット・コール・レシオ
- アナリストによる意見の割合
- 空売り比率
- 出来高比率
おわりに
誰かが空が降っていると言ってる時、その誰かはもう対策済みであることが多いです。
これは需要と供給の関係からすると、これからさらに悪くなると言えるでしょうか。
その時に逃げたのではすでに遅いかもしれません。
オニールのこれらの指標をどう生かすか、私は未だに試行錯誤しています。
株価と出来高による判断に迷いが生じたら、使うことを考えているのが現状です。
もっと情報収集が簡単になり検証の時間を確保できれば、フォローできそうですがうまくいきませんね。
gyatuby.hatenablog.com