前回は、市場平均以外の動きからマーケットの転換点を探る方法について学びました。
今回もその続きで、騰落ラインと金利動向です。
金利動向はマーケットに大きな影響を与えるため注意を払いますが、騰落ラインはデイトレードに限定して使う方が良いでしょう。
過大評価された騰落ラインを解釈する
- 騰落ラインとは、1日の上昇した銘柄数と下落した銘柄数と比較して、その比率をグラフ化したものである。
- 騰落ラインには主要な株価平均ほどの信頼性はない。
- なぜなら、マーケットの方向性は単純な足し算分析などで得られる答えでは語れないからだ。
- すべての株が平等な重みを持っているわけではない。
この騰落ライン、デイトレードに役立つと言われています。
しかし中長期の動向を分析する際には、よりパワーがあるマーケット全体や主導株に重心を置くために、利用価値は限られるでしょう。
騰落ラインは使い道が限定される
- 明確な弱気相場の短期の上昇を試みるときには役に立つ。
- 騰落ラインが平均株価に遅れて上昇したものの再び下落するようならば、たとえダウやS&Pで強い上昇が見られても、マーケット全体はまだ脆弱であることを示している。
- つまり、たった数社の先導株だけでは、新たな強気相場を作るのに十分な原動力にはなり得ないということなのだ。
- 騰落ラインは使い道が限定された補助的な指標である。
騰落ラインの動きは敏感なため、たとえばマーケット全体が天井を付けるずっと前から危険アラームを出します。
つまりフライングして強気相場なのに株を手放す恐れがあることから、騰落ラインはあまり信頼できません。
使い道は短期目線に限られます。
このような補助的なテクニカル指標は無数にありますが、いずれも過度に重視するのはやめた方が良いでしょう。
FRBの金利変化に気を付ける
- 一般に金利というのは、基本の経済状態を確認する最良の手段で、公定歩合やフェデラル・ファンド金利の変化は、その中でも最も信頼できる指標である。
- 弱気相場が終わるのは、金利が下げられたときが多い。
マーケットの全体像を占うファンダメンタル指標のなかで、重要な指標は以下のものが挙げられています。
これは金利水準がFRBの金融政策の引き締めや緩和に密接に関係するからです。
そのため、金利や金融政策の動向には、常にアンテナを張りましょう。
過去には3回連続の利上げで、弱気相場が始まり不景気に突入しました。
1981年の暴落を招いたFRB
合計3回の利上げでリセッションに陥りました。
続けて大幅利上げする様子だけなら現在と同様ですが、リセッション入りはなかなか起こりませんね。
オニールは、株価平均の動きに勝る最高の指標はなく、FRBの金利動向だけを信じてはいけないと注意喚起しています。
ちなみにこのあと、FRB上げ&政府下げの酷評が述べられています笑
サブプライムローンを過熱させた責任は連邦政府にあり、ウォール街の大企業も加担したと批判しています。
1962年の株式市場暴落
- 1962年春の経済状態は特に問題はなかったのに、政府が株式市場の調査を発表したあと、鉄鋼価格の引き上げを行なった鉄鋼会社を追求し始めると、一転して市場は不完全な状態に陥った。
このように政府による過剰な介入があったものの、キューバ危機終結で弱気相場から新たな強気相場へと変わりました。
この一連の動きの中では、すべて公定歩合の変化はありませんでした。
金利だけでは強気か弱気かわからない
また、市場が底をつけて6か月後に利下げしたこともありましたが、この利下げを待っていたら強気相場に乗り遅れていました。
他方で、利下げしたのに弱気相場が続いたことも幾度かあります。
やはり市場平均の動きが一番大事ということです。
まとめ
おわりに
現在のFRBのミッションとして、リセッション(恐慌)に陥ることなくインフレ退治をする、いわゆるソフトランディングを狙っています。
このソフトランディングが成功したら、恐らく今までの歴史の中で輝かしい実績となるでしょう。
しかし、はたしてうまくいくのでしょうか?
たしかに現在は量的緩和も進んでいることから、今までと事情は異なります。
現在の株式市場は、いまだに本格的にはリセッションに陥ってはいません。
FRBのこの画期的な試みがうまくいくかどうか、私たちは市場平均株価に注目しながら、様子を見ていきませんか?
gyatuby.hatenablog.com
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