今まで学んだことを活かして、実際のトレードを調べてみましょう。
まずは慣れることが大事になります。
はじめに
1909年2月27日に起きた相場を例に挙げています。
レディングに天井を付けたような動きをつけたあと、空売りの動きが目立ってきました。
どんどんと下降トレンドの強さが明確になっていきます。
では下降トレンドの強さが明確になったらどうなるか、どうしたらいいかこれから説明されていきます。
頑強な抵抗
- この3ポイントの下げは、二月中の下落から立ち直りかけたばかりの市場にとって、きつい一撃だった。
- (しかし、)そうした銘柄(ほかの主力株)がテクニカルに見て強いということを物語っていた。
- つまり、相場のリーダー株が3ポイントも値下がりしても、冷静に受け止められる人々が保有していたのである。
レディングが3ポイントも下げている中でも、ユニオン・パシフィックなどほかの主力株の下げは限定的でした。
このときはまだ頑強な抵抗があり、下げトレンドに突入するのはまだ先のようです。
浮動的な供給
- スチールやレディングなどの浮動株の大半がブームや吹き上げのときに玉をしこたま抱え込んだトレーダーの手のなかにあることが発見できたであろう。
- こうした人々は、資金や肝っ玉も経験もあまりもっていない。
- そして、恐ろしく臆病なので、相場が打撃を受けると、彼らが保有している株は最大幅で下落することになる。
もし投資家たちの手元株を垣間見ることができたなら、市場で取引されている銘柄がどこへ向かっているのかわかることでしょう。
知識も経験もない、ただ何となく所有された浮動株には我慢強さがありません。
これは上げ幅と下げ幅の大きさから分かるといいます。
本書の例では、ユニオン・パシフィックは強い抵抗を見せ(下げ幅12三/八ドルに対して上げ幅84七/八ドル)ました。
しかし、レディング(下げ幅26三/八ドル、上げ幅73七/八ドル)とスチール(下げ幅16一/二ドル、上げ幅36七/八ドル)は下げ圧力にほとんど抵抗できませんでした。
こうした下降トレンドに素直に従う段階では、ホルダーの多くが個人投資家の銘柄を狙うといいかもしれませんね。
テクニカルな条件
- 相場全体や個々の銘柄の先行きを判断するとき、実際に動いた結果だけでなく、動くべきときに動かなかったという事実にも注意を払うべきである。
売り浴びせが起きたにもかかわらず、下落が限定的だった場合は強い抵抗があることが分かります。
そのうち反発する可能性は高いわけですから、しっかり監視する必要があるでしょう。
なぜユニオンは下がらなかったのか
もちろん例外もあるし、反発がずっと先に起こるかもしれませんが、反発するぞという長期的見通しを持つのは重要です。
逆を言えば、なんの目安もないままにトレードを行うのは無謀すぎます。
まずはトレードする時間軸をはっきりさせたほうがよいでしょう。
相場観を持つ
- テープ解読者はその長期的な見通しをしっかり頭に入れて行動しなくてはならない。
- たっぷりとある時間と資金は、最大の成果を生み出すときにこそ使わなければならないのだ。
時間軸をはっきりさせたら、あとは入るタイミング、ストップロスの位置、手仕舞いの目安などに関する計画を作りましょう。
多大な労力とお金を捧げるわけですから、勝つときは徹底的にボロ勝ちしなければなりません。
なお、自分の長期的な相場観を絶対視しないでください。
予想外のことが起これば変わるのが相場だし、誰かの気まぐれでも変わるのも相場です。
常に柔軟な思考を持つようにしましょう。