さまざまな投資手段を知ることは、いざというとき役に立つかもしれません。
今回は少し難しいとされる、オプション取引について学んでいきましょう。
- 資金管理の心構え(再掲)
- オプション取引とは何か?
- オプション取引を行うべきか
- オプション取引のリスクを減らす
- 最高の銘柄だけを買う
- 指値注文は避けよう
- リスクが高い短期オプション
- オプション取引はシンプルに
- オプションを売るべきか?
- まとめ
- おわりに
- 免責事項
資金管理の心構え(再掲)
- 単に避けるべき投資が何かを知っておくだけでも十分価値がある。
- 複雑にしすぎず簡潔を心がけること。
本章と次章で、投資における様々な選択肢や魅力的な資産運用方法を読んでいきます。
前回までの内容は以下の記事をご覧ください。
gyatuby.hatenablog.com
大切なことは、不要なものは避け、そしてできるだけシンプルにすることです。
オプション取引とは何か?
投資で勝つためには、自分の投資リスクを最小限に減らすことを考えましょう。
リスクを増やしては元も子もありません。
オプション取引は、「イチかバチか」の賭けをするようなものです。
なお、一番よく見るオプション取引は、株価指数を対象資産とするものかと思います。
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オプション取引を行うべきか
オプション取引は基本的にはリスクの高い取引になります。
そもそもオプションという金融商品が知識を要するものであるため、オプション取引の参加者(ライバル)は、普通株と比べて比較的知識やテクニックを持つ人が多いと思われます。
そのため、ビギナーのうちはむやみに手を出すべきものではありません。
オプション取引のリスクを減らす
- オプション取引を検討するならば、全資金の一部だけに制限して行うことを強くお勧めする。
- 慎重にやるなら10~15%以下にするのが望ましい。
オプション取引はリスクが大きいため、空売りと同様に全資金の10~15%で運用するのが望ましいでしょう。
損切り水準
またリスクを限定するために、損切りラインも別途設ける必要があります。
なぜなら、オプションは普通株と比べて価格変動(ボラティリティ)が激しいため、損切りは必然的に8%以上になります。
例えば現物の3倍の速さで動くのであれば、現物の絶対損切りライン8%×3倍=24%付近→20~25%を上限とするとよいでしょう。
リスクリワードの観点からいえば、利益は50~70%の利益が出たら大部分を利確するのがよいかもしれません。
こうしてみると随分と魅力的ですね。
オプション取引が難しい理由
- オプションが難しいのにはいくつか理由がある。
- 特定の銘柄のオプション市場が薄く流動的でないので、需要と供給の変化が株価に大きく影響してしまう。そのようなオプションを買うのは問題である。
- また、現物やマーケット全体の株価変動が限定的だという理由だけで、人為的に異常な価格が付けられることが一時的にあるという事実も考えものである。
オプション取引が難しい理由としては、以下の2点が挙げられます。
- 流動性が高くありません。そのため需要と供給のバランスが簡単に崩れ、オプション価格に大きく影響を与えます。
- 他のマーケットの値動きが小さいときに、大口投資家に価格操縦されることが一時的にあります。
それに加えて、海千山千の猛者たちがライバルなわけですから、初めて手を出すとしたら苦労することになるでしょう。
最高の銘柄だけを買う
- 私はオプション取引はほとんどしないが、実際にする場合には、収益率の見込みが最大で勢いのある優秀な銘柄を選ぶようにしている。
- このようなオプションのプレミアムは比較的高くなる。
- 繰り返すが、一番安いオプションを買うのではなく、価格は高くても最高の銘柄のオプションを買うのだ。
オプション取引の対象が最高の銘柄のものだけを買いましょう。
このようなオプションのプレミアムは比較的高くなりますが、流動性も相対的に高くなるので逃げきれないリスクをある程度軽減することができます。
www.jpx.co.jp
失敗することは誰にでもあるので、それをいかに抑えるかも大事になります。
指値注文は避けよう
- 指値注文を入れるのが習慣になってしまうと、株価がその水準から遠ざかるごとに、いちいち注文価格を変更しなければならない。
- そのようなことに気を取られていては、しっかりとした判断力や視点を維持するのは難しい。
- 最終的には、途方もない努力と苛立ちを経験したあとに、注文の一部しか執行されなかった、という散々な結果が待っている。
- 細かい数字にこだわっていては、株式市場で大金を稼ぐことはけっしてできない。
オプション取引に限らず、株式投資全般においても言えることです。
1円を気にするあまりに、大化け銘柄を買い逃したとなったら、後悔してもしきれないでしょう。
特に危険なのが、保有株が値下がりしたときに指値で売り注文を入れたがために、その注文が通らずに手自前なかった場合です。
もし暴落だったとしたら、全資金を失うことだってあり得るのです。
あなたが本書を読む目的は、大きな動きから正しい判断をして大儲けすることであって、小さな変動を細かく言い当てることではなかったはずです。
リスクが高い短期オプション
- オプションを買うならば、満期日までが長い6カ月程度のオプションを購入するほうがよい。
- 株が十分に値を上げる前に時間切れとなってしまうという可能性を最小限にできるからである。
マーケット全体が、中長期の調整に入ってしまう可能性は常にあります。
それなのに、大半の投資家は安くて値動きが大きいという理由だけで、短期オプションを買っていることが多いです。
しかし短期オプションの場合はたとえ銘柄選択が正しくても、満期日までに調整が終わらず利益を上げられないことが起こり得ます。
そのためオプションの購入日から満期日までは数カ月以上の間があると望ましいでしょう。
オプション取引はシンプルに
- ストリップ、ストラドル、スプレッドといった複雑で投機的な取引を勧めるような誘惑に乗ってはならない。
ストリップ、ストラドル、スプレッドといったものは、コールやプットを組み合わせたりする手法を指します。
たとえば、損失を限定する目的(ヘッジ目的)などで、主に両建てとなってるものが多いです。
興味がある方は下記リンク先をご覧ください。
ストリップとは(オプション)|株式投資大百科
ただし非常に難しいです。
銘柄選びやオプションを選ぶだけでも難しいのに、それをさらに複雑にしてヘッジまで始めたら管理しきれません。
下手をすると、売りでも買いでも損失を出しかねません。
投資は常にできるだけシンプルにすることを心がけましょう。
オプションを売るべきか?
- 株のオプションを売るという戦略にはあまり感心できない。
- 強気相場では、コールの売り手に回るくらいなら、コールの買い手に回るほうがよい。
- 弱気相場なら、何もしないか、空売りをするほうがよい。
コールオプションの売り手は、満期日までに特定の価格で買う権利を買い手に与えます。
そしてその見返りにプレミアムを受け取ります。
ただし受け取るプレミアムは少額です。
満期日までは事実上拘束されるため、コールで売った対象銘柄の株価が上昇したら、買い手に権利行使されて時価より安く売ることを強制されます。
少額のプレミアムでは損失をまかなうことはできないでしょう。
もちろん、プットオプションや現物株を予め買っておくなどでヘッジすることも可能ですが、投資としては複雑になりすぎます。
下手をすると二重に損することだってあります。
まとめ
- 大半の投資家はオプション取引に手を出すべきでない
- 複雑な取引に手を出すならば、全資金のある程度少ない割合の金額で運用するべき
おわりに
米国は日本より金融知識が進んでいるのか、本書では様々な金融商品が紹介されます。
日本では株式投資をする人すら少数派なのが実態です。
株式投資に手を出したばかりのビギナーは、株式以外の金融商品に手を出す必要はありません。
国債や預金で十分です。
なぜなら、株式投資は勉強すればするほど損失は徐々に抑えられ、利益を少しずつ出るようになるからです。
分析手法や情報が、他の金融商品と比べて普及しているのも理由の一つです。
あとこれは私見ですが、自分が十分理解していない金融商品を誰かに任せるのはもちろんのこと、たとえ第三者により機械的に運用するツールでも手を出すべきではありません。
なぜ自分のお金を他人に預けて、しかも損を出しても文句も言えないのは理不尽にもほどがありませんか?
なんにせよ損をしたくなければサボることは許されません。
任せるにしても、自分で運用するくらいの知識と経験が求められます。
gyatuby.hatenablog.com
免責事項
- 当ブログで紹介している方法や技術、指標が利益を生む、あるいは損失につながることはないと仮定してはいけません。
- 過去の結果は必ずしも将来の結果を示すものではありません。
- 紹介する実例は、教育的な目的でのみ用いられるものであり、当ブログに書かれた手法・戦略による売買を勧めるものではありません。