あなたはトレーダーとして、船出の準備はできていますか?
これから出す4つの質問に、イエスと答えられないなら一旦立ち止まりましょう。
それだけトレーダーの仕事は難しいのです。
確認の質問
- 相場と、それを動かす要因についてテクニカルな知識を持っているか。
- なくしても困らない1000ドル以上の資金があって、テープ解読の能力があるかどうかを確かめるために使えるか。
- 自分の時間と注意力を全部、テープ解読の科学の研究と実践に充てることができるか。
- 経済的にゆとりがあって、稼ごうとする利益を当てにせず、それがなくても今後生活していけるか。
これまで語られたことについて、4つの質問という形でまとめられています。
これらの質問にイエスと答えられるほどの準備ができていますか?
トレーダーには(はじめのうちは特に)失敗がつきもので、メンタルに影響を与える要因があれば対策を考えなくてはいけません。
それだけテープ解読は神経を研ぎ澄ます必要がある仕事です。
また日々の生活も心配で仕方ない人が、お金の心配を抱えてトレードに集中することなんてできません。
- 時間とお金にゆとりがなかったり、ほかの資格条件を満たせないときはトレードを始めるべきではない。
すべての条件がそろって初めて、トレーダーとして才能があるかどうか確かめることができるというものです。
中途半端に手を出すくらいなら、条件が整うまで待ったほうが無難です。
もしくは別の方法、例えば長期・分散・積立投資のような投資スタイルも考えられます。
gyatuby.hatenablog.com
ブローカーの選択
- どのブローカーを選ぶかは重要な問題である。
- 客の注文を丁寧に扱い、買いと売りの気配値や、様々な値段の注文株数などのテクニカル情報を素早く提供してくれるブローカーがよい。
とはいえインターネット全盛期に、個人投資家が対面取引を行うのはまれでしょう。
ほとんどの人がネット証券を通じてトレードをしているかと思います。
本書はインターネットはおろか、まだティッカーテープのような電報が主流の時代ですので、ブローカーの存在が特に重要でした。
現在で言えることは、注文が正確に約定されるかはもちろん、システムトラブルの少なさ、ツールの使いやすさや素早い情報提供などを踏まえて、証券会社を選びましょう。
別に一つの証券会社に絞る必要はありません。
証券口座を開設するだけなら無料なので、いくつか試してみてください。
注文の取り扱い
- そのブローカーは注文の100株を売らずに、相場が反発するか様子を見るであろう。反発すれば、その100株は命拾いする。
ブローカーが相場の気配を読んで、顧客の注文を右から左に流すのではなく、時には逆らって顧客の利益のために注文を執行するというのです。
現代でも、顧客のためにリスクを負うことがあるのかは定かではありませんが、富裕層向けのサービスならそういった注文方法もあり得るのでしょうか。
全資産をブローカーに任せるパターンならありますが、残念ながらその景色を私は知りません。
小さな会社が一番
- 小さい会社では、テープ解読者が十人十色の意見を声高にしゃべるトレーダーの群れに悩まされることもまずない。
- だいたいひとりになれて、思い通りに仕事に集中できるわけである。
あまりに忙しすぎたり、周囲が騒がしかったりすると顧客のために動くことが簡単ではなくなります。
そのため、ワイコフはブローカー選びには小さな会社を選ぶよう勧めています。
ただしネット証券の場合は、大手を選ぶのが無難な気がします。
手数料目当てで証券会社を選んだりすると、細かいところで不便を感じることになりかねません。
まあこれもまた、大手も中小もどちらも試してみればいいのです。
どうせ口座開設は無料ですから。
まとめ
- 時間とお金に余裕がなかったり、ほかの質問にNOがある場合にはトレードを始めるべきではない
- 条件を満たしたら、自分に合う(ネット)証券会社を探そう
おわりに
ネット証券もお客さんを集めるために、便利なツールをたくさん提供しています。
わたしが利用しているのは3つですが、たぶん取引はしなくともツールが使いたい会社もあります。
またIPOやTOB関連で、大手証券会社に口座を持つ方もいるでしょう。
いずれにせよ、注文を正確に早く約定させてくれる証券会社が一番です。
手数料は二の次です、むしろ喜んでお礼として支払いましょう。
たまに出るシステム不具合のせいで、注文が約定できない会社なんて怖すぎます。