はぐれ猿でも、投資がいいんだ。

ふりむけばやさしさに飢えた弱肉強食の世界で

オニールの成長株発掘法第9章16~M:買われ過ぎ・売られ過ぎなど

売られ過ぎだから買うべき、買われ過ぎだから売るべし。

この感情は社会生活では極めて合理的なものですが、投資においては全く事情は異なります。

今回はこの買われ過ぎ・売られ過ぎ指標と、その他のテクニカル指標を併せて紹介します。

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「買われ過ぎ」と「売られ過ぎ」ー2つの危険な言葉

  • 短期の買われ過ぎ・売られ過ぎ指標は、株価の上下の動きを10日移動平均線としてグラフ化したもので、個人投資家テクニカルアナリストの熱い支持を得ている。
  • 新たな強気相場の初期段階では、この指標が極端な買われ過ぎを示すことがあるので、注意が必要だ。
  • 同様に、この指標が極端に売られ過ぎを示す現象が、大きな弱気相場の初期段階、または最初の下降スイングで起こることがある。
  • しかしこれも転換期ではなく、さらなる下落局面が差し迫っていることを示している。

買われ過ぎ・売られ過ぎの指標は、主要トレンドの調整局面を狙って利益を得るのが目的です。

もしくはレンジ相場で有効といえます。


それゆえに何倍ものリターンを狙って中長期的に保有する成長株投資では、トレンドに従って含み益を膨らませる投資法のため、これらの指標を使うのはおすすめしません。



大きな問題点

  • トレンドとは逆の動きをするこのような指標の大きな問題点は、転換期が終わりを迎えるまでに、あとどれくらい株価が下がるのかという疑問を常に抱えることになるということである。
  • 私(オニール)はこのような売られ過ぎや買われ過ぎを示す指標にはほとんど注目しない。

売られ過ぎ・買われ過ぎの指標は、ひとえに感度が強いです。

つまりマーケットが実際に転換するずっと前から、これらのテクニカル指標はシグナルを出します。


2000年に起きた容赦なき大暴落においても、株価は下落し続ける間、この指標はずっと売られ過ぎを示していました。

はたして市場はすでに売られ過ぎているから、今更売っても遅すぎると言ってガチホしていたら、どのような悲惨な結果が待っていたでしょうか。



マーケットを占うそのほかの指標

他にも補助的な指標は存在します。

いずれもデータ収集や計算に少し苦労します。参考までにどうぞ。

  1. 上昇株・下落株出来高
  2. 企業年金基金への新規投資資金の割合
  3. ディフェンシブ銘柄指標
  4. 新高値を付けているディフェンシブ銘柄・低迷銘柄の比率

上昇株・下落株出来高

  • 株価が上がって引けた銘柄の出来高と、株価が下がって引けた銘柄の出来高を比べる短期指標である。
  • この指標は10週移動平均線としてグラフ化され、相場の中期的な転換期でダイバージェンスを見せることがある。

これから紹介するその他の指標も、もしかしたらTradingViewなどの投資ツールを使えば、有志がインジケータとして編み出しているかもしれません。

ただしあまりに多くのテクニカル指標を使うと、判断に迷いが生じがんじがらめになる恐れがあるので注意しましょう。


なおこの指標に限って言えば、市場平均の株価と出来高を毎日観察していれば、同様の変化に気づけるはずです。



企業年金基金への新規投入資金の割合

  • 普通株に投資された額と現金相当の投資物や債券に投資された額を比較する指標である。

これも調べるのに一苦労します。

しかももう動いた後の結果しか知る事ができないため、今さら動いても遅いかもしれません。


投資においては群集心理が正しいことはほとんどありません。

機関投資家の行動は多額の資金を一斉に積み上げるか、あるいは手仕舞うかのどちらかであり、天秤の針が極端に振れるものです。



ディフェンシブ銘柄指標

  • 強気相場の状態が二年ほど続いたあとに強さを示すことがある。
  • これは「賢い」と呼ばれるような投資家がディフェンシブ銘柄のポジションに資金を注入していることを意味しており、弱気相場が迫っていることを暗示している。

ディフェンシブ銘柄とは、共益事業、タバコ、食品、石けんなど、比較的安定していて安全だと考えられている銘柄を指します。

算定方法は本書ではよくわかりませんが、ディフェンシブ銘柄が人気化した際にはニュース等で取り上げられるはずです。


しかしディフェンシブ銘柄指標もまた、主要な平均株価の信頼性の足元にも及びません。



新高値を付けているディフェンシブ銘柄・低迷銘柄の比率

  • 一般に好感度の高い銘柄やディフェンシブ銘柄がこの新高値一覧を占めてくるのは弱気相場の始まりを示していることが分かっている。

ディフェンシブ銘柄や低迷銘柄は、相場サイクルから出遅れて強くなる傾向にあります。

他方で、主導銘柄は相場を主導する役割を担っているため、弱気相場が始まる前には他の銘柄群より早く調子を崩します。


こちらの指標は、新高値一覧を常に監視していればわかるので参考になるでしょう。



まとめ

  1. 買われ過ぎ・売られ過ぎ指標は、感度が強いために、マーケットの転換点を見極めるには不向きといえる
  2. 転換点を見極めるには、主要平均の株価と出来高が重要になる
  3. その他のテクニカル指標もあまり信頼し過ぎない方が良い

おわりに

買われすぎ売られすぎ指標は、何も数字ばかりではありません。

私たちの周りでも、売られ過ぎだから買った投資家もいるでしょう。

順張り逆張りに限った話ではありませんが、やはり他にも検討した上で投資決定をすべきです。


もちろん、あまりにも多くのものを検討してしまうと、矛盾する答えが生まれ、迷ってしまいます。

あんまり気にせず、自分のルールを守ることを優先したいものですね。
gyatuby.hatenablog.com


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免責事項

  • 当ブログで紹介している方法や技術や指標が利益を生む、あるいは損失につながることはないと仮定してはいけません。
  • 過去の結果は必ずしも将来の結果を示すものではありません。
  • 紹介する実例は、教育的な目的でのみ用いられるものであり、当ブログに書かれた手法・戦略による売買を勧めるものではありません。