チャート100本ノックでは、時系列順に関連記事や注釈等をまとめています。
チャートを出力する方法が見当たらなかったため、お手数ですが本書を片手に読んで頂ければと思います。
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銘柄選択の極意(再掲)
- 本書では、チャートからどこで買えばよいのかだけでなく、売りのサインの読み取り方も伝授している。
- 成功するためには、歴史によって実証された信頼性のある買いと売りの規則性を学ぶ必要があるのだ。
- 時代にかかわらず幾度も繰り返される特定のチャートパターンがあることに気がつくだろう。
- 売り上げ、収益率、ROE(株主資本利益率)のそれぞれが大幅に上昇している銘柄を見つけること
- そして、機関投資家による買い集めを示している強いチャートパターンを見つけること
- この両方ができれば、読者諸君の銘柄選択及び売買タイミングが大幅に改善されることにつながるのだ。
チャートを注意深く読むことで、売買タイミングは大幅に改善されます。
銘柄選択は一流なのに、利確が早すぎたり遅すぎたりで機会損失を得ることは、おそらくすべての投資家が通る道かと思います。
必要なのは、買いのタイミングと利確の精度をいかに高めるか考え続けることです。
チャートのテクニカル指標には様々なものがありますが、オニールが使用する主なテクニカル指標は、株価と出来高、移動平均線とシンプルです。
わたしたちが学ぶべき対象として、これ以上のものはないでしょう。
オニールが伝授する投資法を、余すことなく学びましょう。
アウトボード・マリーン(1954年)
- 177週間で720%上昇
- 1953年の朝鮮戦争停戦で材料規制が解除されたことが急成長につながった
- 夏季のみのボート関連だけではなく、自社製のモーターを除雪機、芝刈り機、チェーンソーに組み込んで通年の売上増加を狙ったことが企業の基盤を拡大した
- ここでは3対1の株式分割調整済みだが実際の買いの株価は13.50ドルだった
ボードメーカーでしたが、モーターの売り上げが急増し大企業へと発展しました。
なお、OMCは2000年に100,000台のモーターを販売し、船外機市場の3分の1を占めていました。
OMCは2000年12月22日に破産を申請し、7,000人の従業員を解雇しました。*1
第1ベース
このベースは見づらいですが、強いて言えばダブルボトムでしょうか。
利益の急上昇がきっかけで、ブレイクアウトに向けて急上昇しました。
こういったケースは、本書でも実際のトレードでもよく見かけます。
第2ベース
- ダウ平均が調整する中、ベースを形成
- ブレイクアウト時に出来高増加、買い
- どうして底部分のもっと安いところで買わないのかと思うのかもしれない
- 株価が上昇する可能性が最大になったときに買うのが目的なのだ
- 株価が9週連続で10週移動平均線の下にあるときには、ファンダメンタルズ条件が同じだと仮定すると、買いに成功する確率は30~40%ほどしかない
- 株価が上昇中できちんとしたベースからブレイクアウトして新高値に近づいているときは、強気相場なら60~70%の成功率になる
- 株価が下落して安く思えるときに買いたがる人がほとんどだが、それが株価が上がらずに損失を多く出す原因なのだ
チャートの絵的には、取っ手なしカップになるでしょう。
ここでオニールが補足しているのが、ブレイクアウト後に買えと念押ししています。
私たちの目的は株価の底で買うことではなく、あくまで儲けることです。
儲けたいのであれば、勝つ確率が高いところにベットするのが当たり前でしょう。
そしてブレイクアウト後でも、成功すれば十分な利益がもたらされます。
底で買おうとして失敗したり、買い下がりして失敗する投資家をいったい何人見たでしょうか?
クライマックストップ
- クライマックストップでの売り
- 3対1の過剰な株式分割
着実な上昇が続いた中で、突如として値幅を伴った急上昇が発生しました。
タイミング的には3対1の過剰な株式分割が原因といっていいでしょう。
取得単価が下がり小口投資家も手が出しやすくなる半面、供給量は3倍に膨れ上がります。
このタイミングでは、処分していれば合格点だったでしょう。
カイザー・アルミニウム(1954年)
- 93週間で379%上昇
- カイザーの数週間前にレイノルズ・アルミナムがブレイクアウトして新高値を付け、アルコアもカイザーに続いてブレイクアウトをした
- つまり業界全体の転換期だった
- レイノルズの上昇幅はカイザーと同程度だった
- 長期移動平均線は200日移動平均線
1946年に創業されたカイザー。
今なお残っている大手アルミニウムメーカーです。
このケースでは、アルミニウム業界全体が上昇トレンドへ転換が起こりました。
業界全体を監視する必要性がわかる事例です。
gyatuby.hatenablog.com
なお、オニールが用いる長期トレンドラインは、200日移動平均線を使っているので覚えておきましょう。
第1ベース
アウトボードと比べると、きれいなチャートパターンを形成しています。
同業他社のレイノルズがブレイクアウトしているのを横目で見ていたのであれば、自信を持って買うことができたはずです。
なおブレイクアウト時に、出来高の増加を伴っていない場合はダマシとなる可能性があります。
本日の気づき
- 底で買おうとしないのは、株価が上昇する可能性が最大になったときに買うのが目的だからなのだ
- 株価が9週連続で10週移動平均線の下にあるときには、ファンダメンタルズ条件が同じだと仮定すると、買いに成功する確率は30~40%ほどしかない
- 株価が上昇中できちんとしたベースからブレイクアウトして新高値に近づいているときは、強気相場なら60~70%の成功率になる
- 長期トレンドラインは、200日移動平均線
- ブレイクアウト時に、出来高の増加を伴っていない場合はダマシとなる可能性がある
おわりに
米国株は明確なフォロースルーデー(マーケットの底)を迎えたようですが、日本株の動向も気になるところです。
試しの上昇は見受けられますが、その後の出来高を伴った急上昇にはまだ弱いように思います。
ただし日米決算のピークがやってきます。
決算によっては、明確なトレンド転換のきっかけになるかもしれません。
いつも以上に注意して見守ろうと思います。
gyatuby.hatenablog.com
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