投資でまずまずの成果というと、満足できないのは自分だけでしょうか。
とはいえ辛抱することで、成果が簡単に得られるものはありがたいですね。
まずまずの成績を上げるのが目標
- 素晴らしいとはいえないまでもまずまずの投資結果を、能力に乏しくほとんど努力をしない素人の投資家でも挙げることが可能だということである。
- しかしそうした人々が技術を向上させようとするならば、たゆまざる努力と少なからぬ知恵が求められる。
- もしも基本以外の知識や知恵を少しでも投資プログラムに組み入れようとすれば、普通より多少は良い結果を得られるどころか、かえってまずい結果に終わるであろう。
時間がなく忙しい現代人にとって、まずまずの成績ならば達成できると断言されると嬉しいものですね。
しかしそうした人々がもっと儲けるために知識や技術を身につけようとすると、膨大な時間が求められます。
そして中途半端に身につけた知識や知恵をバリュー投資に組み入れようとすれば、平均並みの成績はおろか、かえって平均以下の成績で終わりかねません。
特に成長株投資は投機というくらい、バリュー投資と相性は悪いと述べています。
オニールの場合はファンダメンタル分析も組み合わせた成長株投資ですが、実際に運用するとやはりムードをいかに読み切るかが大事になってくるので、グレアムの言う通りなのかなと思っています。
インデックス投資に負けるファンドマネジャー
- 経験豊かな人材を抱えた投資信託会社でさえ、その大部分が長年にわたって市場平均以下のパフォーマンスしか上げていない。
- 証券会社の出す株式市場予測ー彼らのはじき出した数値の信頼性は、単なるコイン投げの確率以下でしかなかったことを示す明白な証拠があるーもまた同様である。
いわゆるインデックス投資最強理論ですね。
低コストで運用されるインデックス投資信託が、銘柄を選び投資するアクティブ投資信託の大多数をパフォーマンスで上回っているというのです。
コイン投げして選んだようなファンドより劣ってるというのはなんとも悲しい。
分散投資の究極系とも言えるインデックスファンドは、時間も費用もかけずに市場平均の成績を手に入れる最良の方法なのかもしれませんね。
ポートフォリオの運用方針を単純化する
今はインデックスファンドがあるので、ポートフォリオなんか作らなくてもいいかもしれません。
ではなぜあえてポートフォリオを作る必要があるのか?
私なんかそうなのですが、やはり自分で見て信じたものを選んで投資したいというのはあるのではないでしょうか。
自分のオカネを託す以上、信じるものに預けたいですよね。
それにインデックス投資(オルカンやS&P500)とはいえ、アメリカの成長株の比重が比較的大きいので、これは分散投資になっているかという問題もあります。
成長株投資をタブーにするなら、これらを除いた方がバリュー投資といえるかもしれません。
安全域の原則
- 安全域の原則(margin-of-safety principle)に確固として基づき、しっかりとした投資アプローチを取ることによって、十分な収益を得ることは可能である。
- だが、防衛的な投資によって確実な収穫を得ようとするのではなく、より積極的な投資収益を得たいと考えるならば、慎重な自己分析を欠いてはならない。
安全域は、バファーや余裕といった言葉で置き換えるとわかりやすいかもしれません。
例えば価値100の銘柄を90で買えたとすれば、10だけ余裕が生まれます。
この10の余裕が、ゆくゆくは価値が見直されて利益となるかもしれませんし、余裕が生まれれば生まれるほど、たとえ一時的に暴落してもそこまで下がらないだろうという根拠にもなります。
防衛的投資ではこの安全域の原則に照らして投資を実行するため、たとえ将来の予測を読み間違えても、バッファーが存在することから大きな失敗は避けられるというわけです。
しかし市場平均以上の利益を求める、つまり安全域を手放す場合には、安全域の原則に変わる何かを探さなければ、冷静にトレードするメンタルは身につかないでしょう。
読者のみなさんへ
本書で扱うのは、債券と株式のポートフォリオを作成することにあるので、他の金融資産については触れていません。
必要かどうか判断する場面は、家族や知人に流されたということもあるでしょうが、やはりライフプランを作成する時になるでしょう。
gyatuby.hatenablog.com
人生設計する上で、お金の問題は避けられません。
投資もこうした一つの解決法に過ぎませんので、一度でいいから試しにライフプランをつくるのも良いでしょう。
まとめ
- 素晴らしいとはいえないまでもまずまずの投資結果を、能力に乏しくほとんど努力をしない素人の投資家でも挙げることが可能だということである。
- しかしそうした人々が技術を向上させようとするならば、たゆまざる努力と少なからぬ知恵が求められる。
- もしも基本以外の知識や知恵を少しでも投資プログラムに組み入れようとすれば、普通より多少は良い結果を得られるどころか、かえってまずい結果に終わるであろう。