ストップ注文(逆指値注文)は、損失を限定するためにも、利益を確定する上でも便利な注文方法です。
ただしワイコフは、ストップ注文を限られた場面でしか使いません。
今回は、ストップ注文の使い方について読んでいきましょう。
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心理的ストップ
- 手掛けた時点でのリスクは、株価が思った方向に進み、ストップ注文を巧みにずらしていくうちに、次第に消えていく。
- 私個人としては危険水準を決め、自分の心にストップ注文を出しておいて、株価が目標に達したら、成り行きで手仕舞うというやり方のほうが好みに合っている。
- それは、ギリギリの時点で計画や方針を変更できる余地があるからだ。
言い換えれば、損切りラインを心のなかに決め、けれども逆指値注文(ストップロス)はマーケットに出さないやり方ともいえます。
オニールも、買値の8%を絶対の損切りラインに決めるよう警告しています。
推奨ではなく警告ですよ。
gyatuby.hatenablog.com
オニールが逆指値を出さない理由は、ワイコフとは異なり、ほかの市場参加者たちに手の内を晒すことを防ぐためです。
ワイコフの時代では、インターネットが存在せずブローカーが取引所内を駆け回っていました。
当時は注文して取り消そうとしても、タイムラグで間に合わない恐れがあったためです。
相場によるストップの指示
- ストップは相場に従って明確に定められるものであり、自分が任意に決めるストップは不要なだけでなく、高くつくものになる。
- この例では、チャートを使って説明しているが、熟練したテープ解読者は普通そうしたスイングを頭のなかに入れているものである。
- もちろん、どんなときでも任意のストップを使ってかまわないし、特に相当に膨らんだ利益を確保したいときには有効だろう。
- だが、株価が手掛けた時点での価格から離れるまでは自動的に変わるストップを用いたほうがずっと良い。
慣れるまでは、チャートや歩み値を見て、スイングの想定外にずれるところにストップ注文を置くことを意識しましょう。
本書では具体例を用いて、相場の流れに合わせてストップを引き上げていく方法を説明していますので、是非一読してみてください。
デイトレードでは、損切りが遅れると大きな損失になりかねません。
そのため、浅めの損切り注文をします。
トレール注文を使っても良いでしょう。(以前は勧めませんでしたが)
他方で、オニールのような中長期的な投資を行う場合には、振るい落としに遭わないように、ある程度深い価格でストップ注文をしてもよいでしょう。
リスクを増やさないこと
- リスクを増やすような方向にストップを変更するのは愚かなことである。
- リスクの量は最初の時点で決めておき、その決定は利が乗ってくれば別だが、それ以外、ほとんどどんな場合でも変えるべきではない。
事前に決めたリスクを、相場が指示するものでない限り、リスクをさらに増やすのは愚かなことです。
つまり、ストップ注文に引っかかりそうになった場合に、損切りを避けるためにストップ価格を更に下げる行為はやめたほうがいいでしょう。
トレードを行うときは、入念な準備の末に一定の根拠や明確な理由があったはずです。
しかし、株価が想定外の動きを見せることは当然ありえます。
ここで大事なことは負けを受け入れることです。
絶対に負けないトレーダーなど存在しません。
もし違うというのであれば、それは損切りを後ろ倒しにして負けを認めていないだけでしょう。
よくある”長期投資”だからと言って、含み損を肯定する行為も似たようなものです。
一度決めた損切りポイントを守ることは、トレーディングでは大事なことです。
ストップの位置を後ろ倒しにすることはしてはいけません。
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ナンピン、スカンピン
ナンピンもまた、最も愚かな行為のひとつといえるでしょう。
負けを認めないどころか、損失を更に膨らませてしまうリスクを伴います。
たしかに損切りを見送ったり、ナンピンを繰り返して助かることはよくあります。
トントンになったと胸をなでおろし、気分良く手放すことができたでしょう。
でも結局は振出しに戻っただけです。
”万が一”の事態が起きて、ナンピンを繰り返しても下げ止まらず、含み損がみるみる膨らんだらどうしますか?
たった一度の”負け”が、致命的な損失をもたらすこともあるのです。
少しの損失で済むなら、負け続けても構いません。
その小さい負け分をチャラにしてくれる大きな勝利のチャンスは、誰にでも訪れます。
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まとめ