仮に板やチャートを完璧に読み取っても、どこか大口が気まぐれで動いたらパーとなることは少なくありません。
そんな時はやれやれと思って、振り回されるしかないのです。
はじめに
- ちょうど今、私は底辺の幅が1セント弱の小さな三角形の吸い取り紙をとって、ピンの先に突き刺したところである。
- 紙の上にインクを一滴落として、その吸い取り紙をそれに当てる。
- インクはほとんど吸い上げられて、紙はだいたい乾いた状態となる。
スポイトで吸い取り紙にインクを垂らすイメージをもとに、相場の動きを見ていきます。
この例えが思いのほかしっくり来て、頭に残るのです。
消化
- 吸い取り紙はそんなふうに2~3滴吸い取ると、もうそれ以上吸い上げられなくなる。
- ここでペンにインクをたっぷりつけ、その先端からインクを吸い取り紙の上に落としてみる。
- 一定量を超えると、吸い取り紙はもうそれ以上インクを含むことができなくなる。
- しずくができて紙の上に落ちる。
- 吸い取り紙の上にさらにインクを落とすと、しずくの落ちるのが早くなる。
このたとえ話は私には腑に落ちました。
ここで言うインクは株式ですね。
同じことを表現を変えて繰り返し話すことには意味があります。
わたしのように今までしっくりこなかった人が、ワイコフの例えで理解が進んだように、受け手のアンテナ次第で理解できる表現も変わってきます。
裏を返せば、この例えが分かりにくかったとしても、本書や他で同じような話があったときに納得することもあるというわけです。
投資本は比較的難しいものが多いため、ときには立ち止まらず偶然の出会いを待つのも一手ですね。
この話を相場で言い換えると
- まさしくこれと同じことが、供給を上回る消化力があるときに、市場の反応としてテープが現れる。
- 大量の株が売り気配値で引き取られ、上値が切り上がっていくのだ。
- ちょうどそんな具合に、相場は上昇の頂点で歩みを止め、そこで動かなくなる。
- 新たな株価レベルで、需要と供給が均衡に達したのである
- 供給が需要を上回った
- 投げ売り―相場は下げに転じる
- こんなふうに考えれば、互いに対立しながら、絶えず相場で作用している主要な力―消化とディストリビューション、需要と供給、支持と抵抗―を、簡単に頭の中に刻み込むことができる。
本書で十分わかりやすく説明されているため、ここでの解説は省略します。
言葉で覚えなくても、なんとなく感覚でわかれば特に問題ないと思います。
注意深さ
- いくら正確にテープを読み取っても、その日の一瞬一瞬に起きる出来事のせいで、それが無駄になってしまうこともよくなるということは覚えていくべきだ。
- テープ解読者はそうした変化を素早く感じ取り、ポジションをドテンして、新たに形成されたトレンドに従わなくてはならない。
その時には正しかったとしても、予想外の出来事や市場参加者の気まぐれによって計画が狂ってしまうことはよくあります。
こういうときは臨機応変に動くことが重要で、ときにはドテン買いドテン売りをする必要も出てきます。
それでも間違いを何回か犯しながらも、最終的には大きな利益を得ることができた例を使って、ワイコフは説明を始めます。
まとめ
- いくら正確にテープを読み取っても、その日の一瞬一瞬に起きる出来事のせいで、それが無駄になってしまうこともよくなるということは覚えていくべきだ。
- テープ解読者はそうした変化を素早く感じ取り、ポジションをドテンして、新たに形成されたトレンドに従わなくてはならない。
おわりに
日経が強い割にグロースが弱く、もどかしい想いをしています。
大相場の始まりはまだか、それとも終わりの始まりなのか。
いずれにせよ相場に任せて、自分の都合は押し付けないようにしたいですね。