板読みはかなり難しい技術ではありますが、マスターすればこれほど心強い技術はありません。
他方、チャートもまた機械的に従う上では頼りになるツールといえます。
配当
- 配当落ちを、価格の同額の値下がりと同じだとみなす人が多い。
- だが、それには賛成できない。
- ある株が配当落ちしたときには株価の相対的な位置が配当前と同じになるように、目盛りを変えるべきだと思う。
- 例えば、2%の配当がつく前に138ドルだった株が配当落ちで136ドルだった株が配当落ちで136ドルになったときは、138ドルの線を136ドルの線にすべきである。
配当落ちをどのようにチャートに反映させるか、改めて考えると難しい問題です。
配当分だけ値下がりしたとする考え方はある意味正しいですが、本来であれば配当落ちの値下がりの影響は配当落ち日だけではなく、全期間に案分されるべきという考え方もあるでしょう。
つまり株価と出来高の影響に集中したいため、配当落ちの影響でチャートが急に動いてしまうのを防ぎたいわけです。
この考え方には賛同しますが、いざ利用するためにはチャートを自作する必要があります。
かなりの労力と、もしかしたら専門家の手を借りることになるかもしれません。
コストパフォーマンスの観点から考えると、個人的にはあまり気にしなくていいのではと思います。
配当落ちによるチャートへの影響に気を付ければいいだけですし、テープ解読にはそもそも関係ないでしょう。
テープへの専念
- 熟練したテープ解読者は間違いなく、機械的な補助手段を避けることだろう。
- トレンドを感じ取るのに邪魔になるからである。
- さらに、チャートを自分で記入する場合には、チャートを扱うこと自体が常に目を釘づけにしておくべきテープから注意をそらす原因となる。
ワイコフは機械的に動くのをやめるために、テープのみに専念しなさいとアドバイスしています。
1分足であろうと、早さの点でテープに勝るものはありません。
しかし、現代のチャートソフトは限りなく、ワイコフの時代のチャートの短所を克服しています。
機械的段階
基本的な土台ができていないのに、センスに任せて俊敏にトレードをすることはまず不可能でしょう。
私はまだこのレベルに達していません。
ただし問題になるのは、機械的な手法ですら抵抗したりあせったりする心の問題がとても大きいことなのです。
一朝一夕には優れた投資家にはなりません。
失敗から学び成功体験を重ね、自分とルールに信頼できるようになって始めて、機械的にトレードすることができます。
私たちの大半はおそらく、機械的な手法ですら実行することが難しいことでしょう。
この投資家の精神的レベルについては、『ゾーン』(できれば改訂版)で触れています。
そして特に内容を厚くしているのが、この機械的レベルになります。
「技術よりメンタル?」なんて思わず、このような本を1冊は読むべきです。
gyatuby.hatenablog.com
直観的段階
機械的段階を経た投資家は、チャートよりテープに頼ったほうがよいというのがワイコフの助言になります。
そりゃあ機械に融通は利きませんからね。
言い換えれば、テープによるトレーディングでは、決まったルールを作りづらいと言えます。
本人の発言かは分かりませんが、BNF氏も似たようなトレーディングをしている節があります。
この界隈では常識でしょうが、いくつもの主力銘柄の動きを監視しながら、手掛ける銘柄は一日から数日にわたって取引したとのことです。
興味がある方は調べてみましょう。
Twitterにも非公認BOTが存在しているため、情報の入手はそんなに難しくありません。
投資で城を建てたい人には、ワイコフの技術は必須と言えるかもしれません。
まとめ
- 配当落ちによる下落は頭に入れておく
- テープのみに専念しなさい
- まずはチャートに機械的に従えるように訓練する
- テープ(板)読みは、財を成す必須の技術
おわりに
中長期がメインの私にとっては、板読みよりもチャートの方が頼りになります。
というより短期的な変動をあまり気にしていないため、儲かるパターンや法則を見つけて買っていくためです。
みなさんも自分のスタイルに合わせて、この板読みの技術を使うと良いでしょう。