投資スキルを向上させるためには、過去の取引を見直して反省することが大事になります。
今回は、プロのデイトレーダーがどのように取引を振り返っているかを見ていきましょう。
トレンドを待つ
- トレードの成功は基本的に、損失、手数料、利息、収入印紙料を減らすか、なくすことにかかっている。
- この点について、テープ解読者がもっと適切な判断をすべきだったかどうかを見てみよう。
究極的には、損失さえ出さなければ負けません。
しかし、どんな勝負でも絶対に負けないなんてことはありえないし、かえって意識すると勝てるものも勝てなくなります。
そして、勝率を高めるためには取引記録をつけて反省することが大事になります。
今回は、ワイコフによる振り返りを見ていきましょう。
最初の失敗(100株買い)
- (その最初のトレードの)間違いは、はっきりと見定められるトレンドの出現を待たなかったことにある。
- 株価が半ポイントの範囲内に押し込められているのはトレンドの反転ではなく、どちらかの方向に新たな動きが始まる停止点を意味する。
最初のトレードでは、トレンドはまだ形成していませんでした。
トレンドを待つことができれば、この後現れる下降トレンドで買い向かうなんてことはしないで済みました。
半ティック内で動くうちは、まだトレンドと判断するのは早いようです。
調整局面ではどちらに動くかわかりません。
どちらに動くのか確認したあとでも、ポジションを持つのは遅くはありません。
2回目の損失(200株ドテン買い)
- 二回目の損失を出したトレードには、テープの解読技術のなかでも一番微妙な問題の一つ、つまり戻りとトレンド転換とをどう見分けられるかという問題がかかわっている。
- この区別を行うための良い方法は、株価が上昇に転じたときにどこまで戻すかを見て、下落幅の半分から三分の一までの上昇であれば通常の戻りだと判断することである。
二回目の損失を出したときの原因は、戻りとトレンド転換を混同して、ドテン買いしてしまったことです。
機械的に判別する方法としては、三分の一以上の反発をもってトレンド転換されたと判断する方法が紹介されています。
これは他の書籍でもよく見かける有名な方法です。
たとえば2.5ポイント下落して、0.25ポイント戻したのならば、3分の1(2.5/3≒0.8)も戻していないため、売り圧力はまだ続いていると判断します。
2回目の誤ったトレードでも、3分の1まで戻さなかったため、下落はまだ終わっておらず、ドテン買いせずに売り続けるべきでした。
この点、先人たちも長年苦労させられたようで、ほかにもフィボナッチ・レシオなど様々なテクニカル指標が存在しています。
参考にはなりますが、補助的な指標であり、大事なのはあくまで株価と出来高の強さです。
単なる戻りとの区別
- この戻りの間、商いは小口ばかりだった。
- このこと自体、買戻しをしてはいけないことを示している。
- 買い付けにしろ、買戻しにしろ、ともかく本格的な需要があったのならば、出来高の増加を伴う着実な値上がりが生じたはずである。
戻りとトレンド転換による反発の違いは出来高で判断するのが良いです。
マークアップであれば、出来高の増加を伴い株価は上昇していきます。
出来高を観察できることは、株式投資のメリットであり、FXでは(代替手段はあるかもしれませんが)できません。
無料でここまでチャートツールが発展したことは、個人投資家にとってはありがたい限りです。
まとめ
- 調整局面では、どちらに動くのか確認したあとでも、ポジションを持つのは遅くない
- 戻りとトレンド転換の区別を行うための良い方法は、株価が上昇に転じたときにどこまで戻すかを見て、下落幅の半分から三分の一までの上昇であれば通常の戻りだと判断することである
- また、戻りとトレンド転換による反発の違いは、出来高に尽きる