デイトレードの他にも、中長期でトレードすることも考えられます。
今回はデイトレードと中長期トレードの違いを見て、自分に合う手法を見つけていきましょう。
個人的な相違
- 毎日トレードを手仕舞うべきか、それとも大きな利益を得るために、必要ならば何日も何週間も、下落があっても株を保有し続けるべきかという問題である。
この問題に対する答えは、ある程度テープ解読者の気質にかかっている。
- テープ解読者は、もっぱら長期的なスイングに基づいてのみトレードするのは難しいし、儲からないと感じるだろうということである。
デイトレードVS中長期投資、もしかするとワイコフVSオニールに見えるかもしれませんね。
もちろん敵対なんてしていませんし、共通する部分は多くあるのですが、手法が異なる部分が多いのは事実です。
ひとつずつ見ていきましょう。
デイトレーダー
- 小さなスイングを丁寧に追いかけて利益のものにし、徐々に修練を積んで、段階的にポジションを増やしていくことができる人ならば、そうした方法ですぐ目標に「到達」できるだろう。
もちろんワイコフはデイトレーダーですね。
ここまで読んだテクニックや知識は、スキャルピングやデイトレードで役に立つスキルです。
中長期トレード
- 一方、積極的に手掛けたり手仕舞ったりすることができずに、大きなチャンスをじっと待つのも平気で大量の利益を目指し我慢して株を持ち続けられる性格の人も、「そこにたどり着ける」であろう。
- もっぱら長期スイングに基づいてのみトレードするのは難しいし、儲からないと感じるだろうということである。
他方、辛抱強く持ち続ける中長期投資でも、またミリオネアになることは可能です。
正解はひとつではないことを、ワイコフは説明しています。
長期に絞る必要はない
ただし、どちらか片方のテクニックしか使えないなんて制限は私たちにはありません。
オニールも、普段は週足チャートを使っていますが、日足チャートを併せて確認するよう述べています。
長期トレンドに基づいてのみトレードすることは、それだけチャンスも少なくなり手持無沙汰になることが少なくありません。
20~30回のチャンスのうちトレードするのはたった1回だけで、ほかは見逃すなんてことも起こり得ます。
1~3ポイントの小スイングは5~10ポイントの変動を数の上では圧倒的に上回ります。
テープ解読者はストップロスを浅めに設定するため、スイングが長期だろうが短期だろうが、かなりの比率で損失は少なくなります。
長期スイングによるトレード
- 下落の度合い、抵抗レベルなどの指標の多くは大きなスイングでも同じように有効だといってよい。
中長期投資でも億万長者になることは可能であり、引用の通りワイコフのテクニックを使える場面はもちろん存在します。
ではもっと詳しく長期スイングによるトレードの特徴を見ていきましょう。
損切りポイントは深い
- テープ解読は、基本的に積極的で柔軟な心を持ち、素早く正確な判断ができ、極めて微妙な指標を鋭敏に感じとれる人にあった職業だといえる。
- 一方、大スイングのトレードでは、細かな指標は無視して、その日の重大ニュースや投資意欲へのその影響をかなり重視することが求められる。
- 相当の損失を受け入れる覚悟が必要だし、いろいろな点で、小スイングのトレーダーとは全く違ったふるまい方が要求される。
長期投資ではスイングが大きくなる分、細かい指標やそれによって起こる小さいスイングは無視します。
日々起こる重大ニュースやマーケットの受け止め方のほうをより重視します。
ただしこれは裏を返せば、逃げるチャンスを見過ごすことにつながり、より大きな変調が起こったときに損失を被る可能性が上がるとも言えます。
長期投資家はそのような変化をダマシや振るい落としとみることもあるくらいです。
むしろ長期投資家は、このような大きいスイングを歓迎します。
そして、このスイングに振り落とされないように、デイトレーダーより深めに損切りラインを置くことが多いでしょう。
なおオニールは、買値の8%下落したら例外なく損切りすることを推奨しています。
gyatuby.hatenablog.com
相場に張りつかずに済む
- この問題について詳しく検討するにつれて、いっそう二つのトレード法は重ならないように思われてくる。
- 長期スイングの手法は、休みなくティッカーに張りついていることがなく、その結果、距離をおいて相場を広くとらえられる人に向いていると言えそうである。
長期投資の一番のメリットは、一日中相場に張り付く必要がないことです。
小さい予兆は、これから起きるであろう大きなスイングの前には意味を成しません。
ワイコフはかなりの時間と労力を払わなければならないと述べていますが、それはスキャルピングやデイトレードに限った話です。
時間や知識がない方はインデックスや投資信託に投資するのが正解かもしれません。
しかし、それよりは犠牲を払う覚悟のある方は、個別株投資が向いているのかもしれません。
個人的には、まずはファンダメンタル分析を重視したグレアムやバフェットが使うバリュー投資をおすすめしますけどね。
まとめ
おわりに
中長期トレードの欠点といえば、スイングが大きいために損失も少なくないことを覚悟することにあります。
それは実際の損益だけではなく、含み損で塩漬けすることを含めてです。
いつかは報われる、という希望は時には裏切られるので注意しましょう。