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オニールの成長株発掘法第11章④〜出来高の減少や弱さを示す動き


裏打ちされた売りのサインには、どのようなものがあるかを知ることが大事です。

本書の中でも特に重要であり、入り口を教える投資本は多い中で出口を示す投資本は貴重です。

せっかくなので、本書とは別の日本株のチャートを用いて説明していきます。

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売りのテクニカル指標(再掲)

  • ファンダメンタルズ指標は売るときにはあまり当てにならない。
  • 異常な市場の動向(株価や出来高の動き)に基づいて売る必要がある。
  • 天井を正しく見極めるには、いくつかの目安がある。クライマックストップ前後の動き、出来高の減少、そのほかの弱さを示す動きなどである。
  • このような情報を研究し続けて、日々の判断材料として使い続けていれば、その多くがよりはっきりと見えるようになるだろう。

前回の記事は下記リンク先をご覧ください。
gyatuby.hatenablog.com

以下、内容が非常に濃く重いです。

そこで私見ですが重要度や使用頻度から独自に3段階でつけました。


まずは重要度の高いものから吸収してください。

何度も読んで少しずつ身につけましょう。


なお、チャートの読み方については第2章で扱っています。

不安な方はもう一度復習してから、この売りのルールを読むと頭に入りやすいです。
gyatuby.hatenablog.com



出来高の減少や弱さを示す動き(★★・)

出来高は株価と並んで重要なテクニカル指標です。

クライマックストップではギアを一段階上げた上昇でしたが、こちらは弱さに着目しています。

売るタイミングではもちろん、その他の時でも参考になるものばかりです。



少ない出来高で新高値(★★★)

  • 出来高が減ったり少なくなったのに新高値を付けることがある。
  • 株価が上がるのに出来高が減少するのは、大口投資家がその銘柄を欲しがらなくなったことを示している。
レーザーテック週足 出所:Investing.com

出来高が減らしながら新高値をつけることは割と見かけます。

これは需要をだいぶ消化したサインといえるでしょう。



終値が1日の最安値かその付近(★★・)

  • まるで矢印が下を指すような形で日足チャートに天井が描かれることがある。
  • つまり、株価が1日の値動きの最安値かその付近で引け、その日の上昇分をすべてけしてしまうということが数日続くような状況である。
バリューコマース日足 出所:Investing.com

上値が重く株価が上がっても押し返されるローソク足が描かれます。

上髭をつけるとよく言いますね。


こちらは供給過剰が続いており、テクニカル的には買いは不利といえます。



3回目や4回目のベース(★★★)

  • 株価が3回目や4回目のベースからブレイクして新高値を付けたら、売りのサインである。
  • そのころには、株価の上昇がだれの目にも明らかになっている。
  • 4回目のベースは最大8割が失敗に終わる
レノバ週足 出所:Investing.com

マーケットでも3度目の正直はあまり通用しません。

この後期に作られるパターンは不完全であることが多く、期間も長くて値幅が大きくなる傾向があります。


ここでベースのカウントの仕方が問題となりますが、オニールが起業した会社IBDのツールでは、以下のような数え方をしているそうです。


レノバも取っ手付きカップ→上昇ベースと続いています。

そして第3ベースで取っ手付きカップカップウィズハンドル)を形成しようとしますが、だれの目にもわかりやすい、幅の広いチャートパターンとなっています。


結果はご覧の通り、天井をつけて急落しました。

レノバは入札がうまくいかなかったニュースが、キッカケではありましたけどね。



弱い上昇の兆候(★★・)

  • 天井近くで、最初の大きな売りが起こると、次の株価上昇では出来高が減少するか、上値が重いか、あるいは連続して上昇する日数が減少する。
  • 弱い上昇があったら2~3日中に売ること
  • トレンドラインや支持線がブレイクされる前の、最後の売りのチャンスになるかもしれない。
AICROSS週足 出所:Investing.com

弱い上昇を見分けるのは、実際には難しいです。

なにせ株価は上昇するので、まだ上昇トレンドの途中なのか、単なる戻りなのかを正確に読み取る必要があるためです。

またマーケット(市場参加者)の気まぐれもよくあるからです。


このチャート例では大きな売り抜けが見られ、その後下落しながら弱い反発を繰り返しています。



最高値からの下落(★★★)

  • 最高値から8%ほど株価が下落した場合、それまでの上昇や天井、そして下落の動きを調べることで、上昇が終わってしまうか、それとも通常の8~15%の調整に入っているところなのかを判断しやすくなる。
  • 最高値からの下落が12~15%を超えるようなら、売りを検討したほうがよい。
AIINSIDE週足 出所:Investing.com

上昇トレンドには8~15%の正常な調整はつきものです。

通常ならふるい落としで売却してしまわないように気を付けるのですが、その一方でトレンドが終わる可能性があることを頭の片隅に置かなければいけません。


他の売りのサイン、マーケットや他銘柄の動きも参考になるかもしれません。

上のチャートは売りのサインを見逃すと、悲惨な結果になった事例です。

最高値から12~15%を超える下落で売却できれば、ある程度損失を回避できたでしょう。



レラティブストレングスの悪化(★★・)

  • レラティブストレングス指数が70以下に下がったら売りを検討しよう。

先ほども出ましたが、オニールが起業した『インベスターズ・ビジネス・デイリー』紙の独自の指標です。

米国株の場合、有料会員になればレラティブストレングス指数を確認することができます。
https://www.investors.com/


またレラティブストレングス指数の計算方法が知りたい方は、以下の記事で紹介しています。

独自で算定したい場合は参考にしてください。
gyatuby.hatenablog.com



孤立した銘柄(★★・)

  • 同じ業界のなかで、その銘柄以外には重要な企業のいずれもが株価の強さを示していないような場合、売りを考える。

業界全体の勢いは、属する銘柄の株価に影響を与えます。

流れに逆らう銘柄があっても、いずれは屈することも少なくありません。


同業他社を一覧で比較することはもちろん、業種ETFとの相対チャートで検討する方法も考えられます。



まとめ

  1. 3回目や4回目のベースでブレイクアウトして、株価が新高値をつけたら売りのサイン
  2. 最高値からの下落が12〜15%を超えるようなら、売りを検討した方が良い
  3. レラティブストレングス指数が70以下になったら売りを検討する

おわりに

出来高は、株価に並ぶ重要なテクニカル指標です。

一口に株価の上昇と言っても、勢いがあるか否かで意味合いは異なってきます。


そしてこのサインが出たから直ちに売れというわけでもありません。

天井を突き抜けることはよくあります。


しかし天井からの急落に対する保険と考えれば気楽に思えませんか?

仮に天井を突き抜けても、また買いなおせばいいのです。


ぜひ自分なりの売りのルールを立ててみてください。
gyatuby.hatenablog.com

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