チャート100本ノックでは、本書に掲載されているチャートを、時系列順に関連記事や注釈等をまとめています。
残念ながらチャートを自力で作成できませんので、本書を片手に読んで頂ければと思います。
銘柄選択の極意(再掲)
チャートを注意深く読むことで、売買タイミングは大幅に改善されます。
銘柄選択は一流なのに、利確が早すぎたり遅すぎたりで機会損失を得ることは、おそらくすべての投資家が通る道かと思います。
必要なのは、買いのタイミングと利確の精度をいかに高めるか考え続けることです。
チャートのテクニカル指標には様々なものがありますが、オニールが使用する主なテクニカル指標は、株価と出来高、移動平均線とシンプルです。
わたしたちが学ぶべき対象として、これ以上のものはありません。
オニールが伝授する投資法を、余すことなく学びきりましょう。
ディーア・アンド・カンパニー(1935年)
- 104週間で307%上昇
- 大恐慌のあとに農機具業界の競争を生き残った数少ない企業
- 恐慌中は損失を出していたが、できるだけ長く農家の負債を繰り延べたことで農家に強く支持された
1837年に創設された、世界最大の農業機械メーカーです。
農家の負債を繰り延べるとは、肝っ玉のいいことしますね。
この決断が奏功してか、農家の絶大なる支持を得ることができ、大化け銘柄となりました。
第1ベース
実に2年にもわたるカップウィズハンドルを形成しました。
幅の広いベースは、通常はベースの上のベースで形成されますが、ここでは第1ベースなのでチャンスを伺うべきでした。
取っ手部分がダブルボトムの形をしていますが、チャーティストがやることはピボットポイントを見極めることです。
ブレイクアウトの直前では、株価の収束が見られました。
ダブルボトムのピボットポイントを思い出して、ブレイクアウト時には買っていきましょう。
移動平均線による売り
(10週)平均出来高を上回る出来高の増加を伴って、10週移動平均線を下回った場合は売りです。
本書ではあまり触れていなかったので、強調しておきます。
たとえここで(個人的に間違ったと思って)売ってしまったとしても、このあと買い直すチャンスがありました。
第3ベース
上昇フラッグを形成しています。
これは本書で扱う上昇フラッグとは異なり、テクニカルの教科書で出てくる一般的なものです。
横ばい期間を形成している点では、転換点を探る必要があります。
株価の収束が現れ、そろそろ買い時だと知らせています。
増し玉を含めてしっかり買っていきましょう。
弱い決算発表
- 弱い決算発表、売り
悪いニュースで売るなと言いつつも、悪い決算では売るんですよね。
これは恐らく、EPS(1株当たり純利益)などのファンダメンタルズが悪化したため、CAN-SLIMの前提が崩れたからなのでしょう。
オニールは決してチャートだけを使う投資家ではありません。
ファンダメンタル分析もしっかり行っています。
シェンレー・ディスティリング(1943年)
テンバガー銘柄となったシェンレー。
ペニシリンの大量生産で財を成しました。
第1ベース
買うタイミングを狙うベースの前では、ある程度の上昇があると安心します。
底で買うことを狙うと、どこまで株価が落ち続けるかという不安と恐怖と戦うことになります。
この点、最初にできるベースでも同じです。
底と思われる場所のベースは失敗する可能性が高くなります。
下落相場の調整局面に過ぎないことだってあり得えるのです。
シェンレーの第1ベースは、教科書通りに安心できるカップウィズハンドルです。
しっかり買っていきましょう。
第2ベース
2番底の形成に時間がかかったパターンです。
この取っ手付きダブルボトムは見づらいですね。
シェンレーの強すぎるEPSの上昇が、購入を励ましてくれていることを願うばかりです。
第3ベース
上昇ベースに近い、2回押しがあるパターンです。
私なら3回目の押しも買って悶絶しています。
ブレイクアウトもそうですが、反発で買っていくタイミングも思ったより簡単ではありません。
早すぎると損切りする羽目になり、遅すぎれば買い逃します。
個人的には時間軸がぶれないように気を付けています。
日足チャートで買う判断をするならば、日足でブレイクアウトを確認できるまでは少なくとも待ったほうが良いと考えています。
第4ベース
取っ手部分が見当たらないんですが、下半分で取っ手ができていると見ればいいんでしょうか?
取っ手なしカップとばかり思ってました。
なお、下半分で取っ手部分ができるカップウィズハンドルは、通常弱いチャートパターンです。
今回は成功していますが、これは取っ手なしカップと見てよいでしょう。
クライマックストップ
- クライマックストップでの売り
第4ベースから急上昇したシェンレーは、とうとうクライマックストップを迎えます。
週足チャートでは値幅が最大となっています。
日足でも確認したいところですが、恐らく連続上昇しているかもしれません。
直前の調整期間をフラットベースやコンソリデーション(正方形型)と見ると、ここで買ってしまいます。
しかし、マーケット全体(ダウ平均)がその後に調整局面を迎えたことから、このあとも売るべきか迷う余裕は十分ありました。
本日の気づき
おわりに
1日2銘柄が限界ですが、それだけチャートには情報量が溢れています。
最初は情報を読み取るのに時間がかかったり、見逃したりすることと思います。
しかし慣れてくると、典型的なものは瞬時に判別することができるようになりますし、情報の取捨選択も精度が増していきます。
とはいえ私も勉強中の身で、新しい発見がまだ多くあります。
ビギナーの気持ちを忘れないように、これからもためになりそうなことは補足していくつもりなのでお楽しみに。